メルセデスの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、F1アメリカGPのレース終了直後に科せられたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)へのペナルティは、F1で見てきたなかで“最悪”のものだと述べた。マックス・フェルスタッペンは、最終ラップのターン16でキミ・ライコネン(フェラーリ)をオーバーテイクして3位でフィニッシュラインを通過したが、その際にコース外に出てアドバンテージを得たとして5秒ペナルティを科せられ、4位に降格した。
スチュワードの裁定はレース直後に公表され、表彰式前の控室に入っていたマックス・フェルスタッペンは退室させられた。レギュレーションを厳格に解釈すればマックス・フェルスタッペンの行為は違反となるが、ニキ・ラウダはF1アメリカGPでの裁定はシーズン前にF1が合意していたことに反していると主張する。「レース中、スチュワードの“審議中”は常に出る。スチュワードが裁定をどこまでやるべきかを検討するため、シーズン開幕前にミーディングを行った。ミーディングにはスチュワードもチャーリー・ホワイティングも参加しており、我々はその件について不満を述べ、スチュワードは首を突っ込まないということで全員が合意した。非常にシンプルなことだ」とニキ・ラウダはコメント。「ドライバーが他を妨害して入れ替わった場合に限って、スチュワードが介入することになっている」「6カ月はOKだったが、今日のこの裁定は私が見てきた中で最低だ。彼(フェルスタッペン)は何も悪いこともしていない。彼はレーシングドライバーだ。公道を走っているわけではない。このような裁定によってスポーツが壊されるのは最悪なことだ」「次のストラテジー会議でもう一度、議題に上げ、最初からやり直さなければならないこのようなことはあってはならない。行き過ぎている。首を突っ込むことではない。あれは普通のオーバーテイクだ」サーキット・オブ・ジ・アメリカズの大部分には広範囲なランオフエリアが設けられており、F1ドライバーは白線を超えても大きな影響を受けることはない。しかし、ニキ・ラウダは、サーキットの設計を非難するのではなく、スチュワードの常識を問うべきだと語る。「白線を超えられるのに、ドライバーに超えてはいけないと言うのはなぜだ? そうしたいのであれば壁でも作るがいい。だが、通常のサーキットである限り、そこを使える。白線がリミットではない。それは昨年、合意したことだ。全員が納得したはずだ。私は間違いだと思う。完全に間違っている」