ヤルノ・トゥルーリは、現在のF1の状況を“高級レンタカー”だと嘆いた。ヤルノ・トゥルーリは、2012年の1回目のテスト後にヴィタリー・ペトロフにシートを明け渡し、F1を離れた。ヤルノ・トゥルーリは、2012年は過去2年間から改善していないと実感したといい、ケータハムの決定に個人的な感情はないと述べた。
「ケータハムは、前進ではなく、後退しかしていないと実感した。チームに将来のチャンスはないとね」とヤルノ・トゥルーリは Crash.net にコメント。「チームが僕に給料を払っていなかったことを考えれば、彼らに僕が走ることはないと伝えられてもそれほど落胆はしなかった。すでにクルマをテストしていたけど、あまり違いはなかったからね」とヤルノ・トゥルーリは、パワーステアリングに苦戦した2011年のロータス T128に言及して述べた。「ケータハムで走っていても、僕の人生やキャリアはそれほど変わらなかっただろう。人々が理解していないのは、僕が自分で走らないことを選択したということだ。契約はあったけどね。ペイドライバーを獲得することで生き残るチャンスをチームに与えた」ヤルノ・トゥルーリは、F1の最大のミスは、自動車メーカーを支えてこなかったことだと考えている。過去10年に存在したジャガー、トヨタ、BMW、ホンダは全てF1から撤退している。「過去15年間のF1の最大のミスは、コンストラクターズの話を聞かずに放っておいたことだ」「僕の考えでは、自動車メーカーなくして競争は成り立たない。現時点で十分に競争力のあるクルマを確実に作れるんは数チームだけだ」「自動車メーカーがいたとき、もちろん、常にもっと良いチームや圧倒的なクルマはいたけど、シーズンを通して、彼らは常に期待していたし、追いつくためのリソースがあった。でも、現在のF1のこの時代はそれはほぼ不可能だ。自動車メーカーがいないからね。フェアーリ、メルセデス、エンジンを供給するルノーだけだ」ヤルノ・トゥルーリは、グリッドの70%が財政的に苦労しており、事例としてフォース・インディアの苦境をほのめかした。「僕の時代は『見てください! 我々には2人の良いドライバーがいます。我々には優れたポテンシャがあるので、どうか投資してください』と世界中に話していた」「今は完全にその反対だ。『我々はクルマを発表しました。ドライバー? 気にしていません』 経済危機を考えれば、チームの70%は財政的に苦労していると言えるし、彼らはどうにかして生き残る必要がある」またヤルノ・トゥルーリは、F1の“ペイドライバー”状況を激しく批判。マカオGPで2勝を挙げたエドアルド・モルタラの状況を例にあげた。「若手ドライバーにとって残念に感じている。最近では、多くの時間がある優れた若手ドライバーでも、スポンサーシップがなければ、F1に到達するチャンスはほとんどない。1〜2年前に僕は『聞いてくれ、DTMでレースをリードしていて、F1スターになるイタリア人ドライバーがいるけど、彼には予算がない』と話したと思う。レースをするためにドライバーが資金を持ち込まなければならないなんてクレイジーだ。現在、大部分のドライバーが走るために支払っているし、それは良い傾向ではない。以前はF1に到達した大部分のドライバーは彼らのドライビングスキルにとってF1に到達した。今はそれが見られない。F1は単なる“高級レンタカー”になっている」ヤルノ・トゥルーリは、2010年にF1に参入したケータハム、マルシャ、そして今はなきHRTが、“ペイドライバー”の状況を悪化させたと考えている。「彼ら(ケータハムとマルシャ)がF1に何をもたらしたか考えてみてほしい。答えはわかりきっていると思う...。若手ドライバーにレースをさせていると考えるかもしれないけど、現時点で僕たちは若手ドライバーにレースをさせていない。僕たちがレースをさせているのはペイドライバーだけだ。若くても、そうでなくても、ペイドライバーなんだ」「実際にペイドライバーより良い仕事ができるお金のないドライバーがいたとしても、彼はF1でレースをすることはできない。5〜6名のドライバー以外は非常に劣っているので、レースの質を上げるためにもF1はコンストラクターを取り戻す必要がある。
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