2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルの競技初日となるデイ1が5月31日(金)に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合2位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が総合3位につけ、ヤリスWRCがトップ3を占めた。
昨晩、古都コインブラで行なわれたセレモニアルスタートで開幕したラリー・ポルトガルは、サービスパークが置かれるマトジニョスの南側エリア、アルガニルの周辺で3本のグラベルステージを各2回走行。1日の最後にはロウサダのラリークロスサーキットで1本のスーパーSSを走り、計7本94.50kmのステージが行なわれた。アルガニル周辺のステージは2001年大会以来の走行となり、マニュファクチャラーチームの全ドライバーにとって、初めて走るステージだった。アルガニルの上空には朝から青空が広がり、ステージコンディションはドライ。そのため、道の表面は「ルーズグラベル」に覆われて滑りやすくなり、出走順が早い選手に不利な走行条件となった。しかし、出走順が2番手と前方だったタナックはSS1で、ドライバー選手権の上位を争うライバル達よりも10秒以上速い2番手タイムを記録。SS2と3では連続でベストタイムをマークし、首位に立った。午後に入り路面コンディションが悪化しても安定したタイムで走り続け、首位の座を堅持。総合2位のラトバラに17.3秒差をつけ、首位でデイ1を締めくくった。ラトバラは、SS2で2番手タイムを刻み総合3位に。SS3では3番手タイムで、首位タナックに続く総合2位に順位を上げた。その後ラトバラは順位を守り、総合2位でデイ2を走り切った。また、ミークは午前中のステージでじわじわと順位を上げ、SS3で総合3位に浮上。SS5でひとつポジションを落とすも、SS6で挽回し、ラトバラと5.5秒差の総合3位で1日を終え、ヤリスWRCのトップ3独占に貢献した。トミ・マキネン(チーム代表)我々チームにとって素晴らしい1日でしたが、決して簡単だった訳ではありません。むしろ、予想よりも厳しい1日だったと思います。コンディションは過酷で、多くの選手がトラブルに見舞われました。それでも、ここまで上手く行っています。クルマのパフォーマンスは高く、ドライバーは自信を持って走り、この難しいコンディションにとても上手く対応しています。しかしまだ先は長く、明日は長いステージが控えているので、皆にとって非常に困難な1日になるでしょう。確かに我々は好位置につけていますが、ライバルとの差はあまり大きくないので、この戦いに勝つためにはトップの座を守り続けなければなりません。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)大変厳しい1日でした。とても暑く、ステージは非常に難しいコンディションでしたが、1日を通してクリーンな走りができたと思います。クルマのフィーリングは素晴らしく、自信を持てたので、攻めの走りができました。明日からのステージを有利な出走順で走りたいと思っていたのですが、その目標は達成できました。そういう意味では、今日はすべて上手く行ったので喜ぶべきでしょう。チームとしても非常に良いポジションにつけていますが、ラリーはほんの一部が終わったに過ぎず、ゴールはまだ先です。明日のステージは、レッキで走った時点でもかなり荒れていたので、きっとタフな1日になるでしょう。集中力を高めて臨まなければなりません。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)全体的には良い1日でした。クルマの調子はとても良く、楽しんでドライブできました。今朝は自分の運転に満足することができ、午後もスピードは十分にありました。ただし、ポルトガル北部のラリーでは今まで体験したことがないくらい気温が高かったこともあり、タイヤの摩耗に悩まされました。きっと、自分のアグレッシブなドライビングスタイルも摩耗に影響したと思います。明日はもう少し楽に摩耗をコントロールできるように、今晩対策を考えるつもりです。現在のこの良い順位を、何とか守らなければなりません。クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)チームにとって素晴らしい1日になりましたが、今日は気温が非常に高く苦労しました。午前中はインターコムに問題が生じ、あるSSでコ・ドライバーのセブが読み上げるペースノートの情報が聞こえなくなってしまいました。しかし、セブは手で指示をしてくれたので、それに従って走りました。午後も小さな問題が生じましたが、それでも総合3位という結果には満足しています。すぐ後方には速いライバルが迫っていますが、今晩のサービスでクルマのコンディションを整え、明日も全力で戦いに臨みます。ラリー・ポルトガル デイ1の結果1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 1h03m26.7s 2 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +17.3s3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +22.8s4 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +24.2s5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +25.8s 6 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1m15.7s7 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +1m22.1s8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m23.7s9 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/ヨナス・アンダーソン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +3m45.2s10 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +3m49.3s明日のステージ情報競技2日目となる6月1日(土)のデイ2は、サービスパークの東北に広がるカブレイラ山脈で3本のステージを各2回走行します。そのうち、SS10とその再送ステージであるSS13「アマランテ」は、全長37.60kmと今大会最長のステージです。6本のSSの合計距離は160.70km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は622.86kmとなります。注目のステージSS10/13 アマランテ 全長37.60kmミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)アマランテは非常に難易度が高いステージです。5つのパートに分かれていて、グラベルと短い舗装路を交互に走ります。選手にも、クルマにも、タイヤにも厳しいステージですが、挑戦し甲斐があり私は気に入っています。暑い中、連続するステージの最後でこのような長いSSを走行するのは...
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