4月6日(木)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・フランス(ツール・ド・コルス) のシェイクダウンがコルシカ島のバスティア近郊で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)とユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC#11号車)は、明日から始まる競技に向けてヤリスWRCの最終調整を行なった。
シーズン最初のフルターマックラリーであるツール・ド・コルスに臨むにあたり、チームはコルシカ島のターマック(舗装路)コースで事前テストを実施していたが、足まわりのセットアップをさらに最適化するため、シェイクダウンでいくつかの仕様を試しラリー本番に備えた。多くのクルマがコーナーの舗装されていないイン側部分をカットして走行したため、路面上に泥が出て滑りやすい状態に。ラトバラとハンニネンはそれぞれコースを3回ずつ走行し、路面の変化を確かめながらクルマの最終確認作業を行ない、足まわりの最適なセッティングを見つけることに成功した。ターマックラリーのツール・ド・コルスは、後輪駆動のラリーカーが最後に優勝したWRCイベントとして知られている。1988年の大会で後輪駆動車をドライブして勝ったのは、フランス人ドライバーのディディエ・オリオール。彼は計6回ツール・ド・コルスで優勝しているが、そのうち1994年と1995年はトヨタ・セリカGT-FOUR(ST185型/ST205型)であげた勝利だった。セリカGT-FOURは、初代のST165型も1991年の大会でカルロス・サインツのドライブにより優勝しており、3世代すべてのセリカのラリーカーがツール・ド・コルスで優勝を果たしている。 競技初日となる4月7日(金)のデイ1は、サービスパークが置かれる島の東海岸バスティアから約130km離れた、西海岸のアジャクシオで競技がスタートする。30km前後の2本のコースを、間にサービスをはさむことなくタイヤ交換のみで各2回走行するため、クルマに大きなダメージを負う事は許されない。4本のSSの合計距離は120.64km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は462.24kmとなっている。 トム・フォウラー(チーフ・エンジニア) 今朝のシェイクダウンでは、ヤリ-マティ、ユホともに異なる2種類のセットアップを試しました。シェイクダウンのコースは、ラリーカーが走るごとに急激に路面コンディションが変わっていき、セッティングを正確に見極める事が困難でしたが、最終的にはふたりともほぼ同じセットアップを選択しました。また、金曜日のデイ1と土曜日のデイ2ではコースの特性が大きく異なり、シェイクダウンのコースとも大きく違うのですが、予定どおりプログラムを消化でき、得られるものがあったので満足しています。 ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC#10号車) 1回目の走行はとても調子が良く、2回目の走行では異なるタイプのダンパーを試してみました。2回目に走った時は多くのラリーカーが通過した後だったので、道に泥が出ていて非常に滑りやすくなっていました。ダンパーに関しては良いセットアップを見つける事ができました。また、いつものようにブレーキのならし作業も終え、明日から始まる競技に向けて準備は万端です。 ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC#11号車) とても興味深いシェイクダウンでした。多くのクルマがコーナーのイン側をカットして走ったため、私がスタートした時には、道の表面は既に多くの泥で覆われていました。しかしクルマの調子は良く、明日のSSはシェイクダウンとは大きく異なるタイプのコースのため、まったく問題ありません。クルマのフィーリングはとても良いので、明日の競技開始が楽しみです。
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