トヨタは、来シーズンもFIA 世界耐久選手権(WEC)への参戦継続を決定。来シーズンは、従来のLMP1規則が一部変更され、新たな規則のもとで参戦することになる。TOYOTA GAZOO Racingは、レースやラリーといったモータースポーツを通じて、「もっといいクルマづくり」の活動を推進している。特にWEC参戦は、先端ハイブリッド技術並びにEVシステムの開発を進めるうえで大変有益であり、引き続き重要なプロジェクトとして取り組んでいく。
一例を挙げると、WECシリーズではこの数年間の激しい技術競争によって、2012年以来、35%もの燃費向上が図られたが、ここで得られた様々な革新的な技術がトヨタの市販車に日々フィードバックされている。また、技術面と共にWECプロジェクトは、先端パワートレーン開発を行う技術者の育成の面においても、トヨタが目指す『もっといいクルマづくり』に繋がるという点で大きな意味を持つ。プロジェクトの開始直後から、多くのトヨタのエンジニア達がWECチームに加わり、耐久レースの重圧の中競い合うことで、日々の業務では得難い様々なことを学んできた。尚、TOYOTA GAZOO Racingの2018-2019年シーズンへ向けた、ドライバーラインナップなどを含む、詳細情報は、来年早々に発表する予定としている。豊田章男 (トヨタ自動車社長)クルマが誕生して100年を超え、“電動化”、“自動化”など大きな変化の時を迎える中、「次の100年もクルマは楽しいぞ!」、そうしていきたいという決意を、私は強く抱いています。2012年より、我々はハイブリッド技術を載せたレースカーで、ル・マン24時間レースを含む世界耐久選手権の道に挑んでまいりました。もちろん、どのクルマよりも長い距離を走りきり、レースに勝ちたいという想いで続けてきた挑戦でしたが、我々がそのクルマに載せていた想いは、それだけではありませんでした。「燃費など環境性能だけを高めるだけでなく『運転が楽しい』、『もっと乗っていたい…』、『もっと走らせていたい…』、ドライバーがそう思えるハイブリッドカーを実現したい」、これが私どもの強い想いでした。今年、はじめてル・マンに行きましたが、トヨタを応援してくださる声援と共に、「こういうハイブリッドのスポーツカーは出さないのか?」という声も多くいただきました。私自身、そのようなクルマを世に出したいと思っていますし、それは「次の100年もクルマを楽しくする」ための1台になると思います。今年、我々のクルマは、ル・マンの道を“速く”駆け抜けることは出来ました。しかしながら、24時間走り続ける“強さ”を兼ね備えることは出来ませんでした。お客様に乗っていただくクルマをお届けしたいと願いながらも、まだその域に達していない…それが我々の今の実力です。この道で技術を磨き合うライバルが去ってしまったことは大変残念ですが、スピード域の異なるクルマが混走し競い合う世界耐久選手権という競技、とりわけ、公道をも舞台にしながら24時間戦い続けるル・マンが「次の100年もクルマは楽しい」の実現に向けた最適な実験場であることに変わりはありません。私どもトヨタが目指す“もっといいクルマ”は、モータースポーツという極限の環境において鍛えられ、つくられていきます。だからこそ、我々は、景気の良し悪しなどに左右されることなく、永続的にモータースポーツに取り組んでまいりたいと考えます。TOYOTA GAZOO Racingは、来シーズンもこの競技への参戦を続けます。そして、この先も、運転が楽しい…もっと走らせていたい…、そう思っていただけるクルマをお客様にお届けできるよう、培ってきた技能と技術を更に高めてまいります。引き続き、応援いただければ嬉しく思います。皆さま、よろしくお願いいたします。