トヨタは、9月22日(日)FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースに挑む。戦いの舞台となるのは、WEC初開催となる米国テキサス州オースティンに新設された“サーキット・オブ・アメリカズ”。アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、ステファン・サラザンとTS030 HYBRID #8がエントリー。続く10月20日(日)に行われるWEC第6戦富士6時間レースにはアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴とTS030 HYBRID #7も加わり、2台体制の出場となる。
トヨタ・レーシングは、残念な結果に終わってしまった前戦ブラジルの雪辱を果たすべく、米国での戦いに挑む。ハイダウンフォース仕様へと空力がアップデートされたTS030 HYBRIDは、ブラジルのインテルラゴス・サーキットでその性能の片鱗を示し、首位争いを繰り広げたが、序盤、周回遅れの車両に接触し、僅か35分でレースを終えることとなった。“サーキット・オブ・ジ・アメリカズ”は、近年新設されたばかりのサーキット。アップダウンが激しい1周5.515kmのコースは、2つのタイトなヘアピンを高速なセクションで結ぶ、全20のコーナーを持ち、国際レベルでの耐久レースが行われるのは初めてとなる。 TS030 HYBRIDのトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)が蓄えられる減速時のエネルギーは、規定で最大500kJと決められている。この回生エネルギーを放出できるリカバリーゾーンは、このサーキットでは4ヶ所設定されており、これらのリカバリーゾーンで、ドライバーは300馬力のハイブリッドパワーをV8、3.4リットルガソリンエンジンでの加速に上乗せすることが出来る。 サーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースは、19日(木)のテストデイで幕を開ける。20日(金)に9:15(日本時間23:15)からと15:25(同翌日5:25)の1時間半ずつ2回の公式練習走行。21日(土)は8:40(同22:40)からの1時間の最終練習走行に続き、13:35(同翌日3:35)から25分間の予選が行われ、6時間の決勝レースは22日(日)の11:00(同翌日1:00)にスタートが切られる。 木下美明 チーム代表: トヨタ・レーシングにとって初めての米国でのレース、ましてサーキット・オブ・ジ・アメリカズのような新設コースでレースを戦うことに興奮している。素晴らしいコースレイアウトで、TS030 HYBRIDが全開で疾走するのを見るのが待ちきれない。オースティンでの初めてのWEC勝者となるのが夢だが、それはもちろん挑戦だ。前戦ブラジルで、我々のハイダウンフォースパッケージの有用性は示せたが、レース本番ではアクシデントのために本来の競争力を見せられなかった。オースティンではアウディと6時間フルに戦いたいと思っている。 アンソニー・デビッドソン #8: ブラジルでは勝てるチャンスがあると思っていただけに、本当に残念なレースになってしまった。オースティンではもっと良い週末にしたいと思っている。アップデートされたTS030 HYBRIDについては、ブラジルで非常に良い手応えを感じていたので、今週末についても自信がある。サーキット・オブ・ジ・アメリカズは素晴らしいコースで、LMP1クラスの車両にとっては、全車初めてのコースだ。私にとっても初めて走るコースであり、本当に楽しみだ。木曜日のテストから、忙しい週末になると思うが、練習走行の前にセットアップの最適化などを行う良いチャンスであり、良いセッティングが見出せることを望んでいる。 セバスチャン・ブエミ #8: 米国でレースをするのは素晴らしい経験であり、オースティンは素晴らしい町なのでこの週末が楽しみだ。9月のテキサスでのレースは、非常に暑いので、昨年のバーレーンのようにタフな戦いになると思う。このチャレンジに向け、私の体調は万全だ。素晴らしいコースは耐久レース向きで、米国でのレースは良い結果が得られると思っている。メインストレートが特徴で、そこからのブラインドとなる第1コーナーは非常に印象的だ。一刻も早くTS030 HYBRIDで走ってみたい。 ステファン・サラザン #8: 米国でのレースは好きだ。今年はグランダムシリーズで素晴らしい経験をして来た。アメリカのファンは熱狂的で、彼らは耐久レースに対して大きな情熱を持っており、LMP1カーでの走りを見せられるのが楽しみだ。TS030 HYBRIDが見せるパフォーマンスは、特にオースティンのようなコースでは、間違いなく彼らを満足させられるだろう。オースティンは3月に走ったが、とても楽しかった。ブラジルでのアクシデントの後、この週末に好結果を得るべくモチベーションは高まっている。我々はそれが実現出来るはずだ。
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