ル・マン24時間レースも12時間を経過し、夜間走行に入るまでは1、2、4位を走行していたTOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRIDだったが、午後11時前、#8号車がフロントモーター周りのトラブルで長時間のピットイン。さらに深夜1時前、首位を快走していた#7号車がクラッチトラブルでコース上にストップ。その直後に2位にポジションを上げた#9号車も他車に追突され駆動系にダメージを負ってコース脇に車両を停めた。TOYOTA GAZOO Racingは、立て続けに起きたアクシデントにより、首位争いをしていた2台を一気に失うこととなってしまった。
TS050 HYBRID #7号車と#9号車が無念の戦線離脱#8号車は2時間の修復後にレース復帰。完走を目指すTS050 HYBRID #7号車は、首位を快走してレースが8時間に達しようとする直前、セーフティカー走行中にマイク・コンウェイから小林可夢偉にドライバーチェンジを行った。しかし、レースが再開されるとほぼ同時にクラッチトラブルに見舞われスローダウン。暗闇の中、小林は何とかピットまで戻ろうとスロー走行を続けたが、その努力も及ばず、ポルシェカーブ出口で完全にストップ。前半戦を支配したレースから離脱することとなった。一方、#9号車は、ニコラス・ラピエールが、首位と1周差の2位にポジションを上げていたが、#7号車がリタイアした直後に、第1コーナーで後方から追突されてコースオフ。コースへは復帰し、走行を続けたものの、追突の衝撃で左リアタイヤがバースト。ダメージは駆動系にも及んでおり、走行不能に陥り車両を停めた。わずか30分の間にTOYOTA GAZOO Racingは2台を失うこととなってしまった。#8号車は、モーターとバッテリーの交換作業に約2時間を費やしてレースに復帰。首位から29周遅れながら、WECのシリーズポイント争いのために可能な限り上位でフィニッシュし、24時間レースを1mでも多く走りチェッカーを受けるべく、全力で最後まで諦めずに走り続ける。TS050 HYBRID #7号車(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ステファン・サラザン)10時間経過時点(小林可夢偉): 3位 154周10時間15分リタイア(154周)TS050 HYBRID #8号車(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)10時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 54位 129周11時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 52位 141周12時間経過時点(アンソニー・デビッドソン): 46位 159周TS050 HYBRID #9号車(ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペス)10時間経過時点(ニコラス・ラピエール): 2位 157周10時間35分リタイア(160周)小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車)本当に悔しい。TS050 HYBRIDは絶好調で、我々は着実に後続との差を広げていました。セーフティカーが導入されたタイミングで給油のためのピットインを行い、セーフティカーが退出して再スタートが切られた直後、駆動力がかからない症状が発生してしまいました。何とかピットまで戻ろうと努力しましたが、不可能でした。このレースのためにハードワークを続け、これほど速いTS050 HYBRIDを仕上げてくれたチームスタッフの悲しみは察するに余り有るものです。ニコラス・ラピエール (TS050 HYBRID #9号車)信じられません。ストレートの終わりで減速をした時にLMP2カーに追突された影響で、リアタイヤがバーストしてしまいました。追突したドライバーも驚いたと思いますが、追突は事実です。チームのためにも走り続けたかったのですが、ピットまで戻れず、本当に残念な気持ちで一杯です。2017年 WEC 第3戦 ル・マン24時間 12時間経過時 順位(LMP1-Hクラス) PosNoDriverTeamCarLapGap11ニール・ジャニアンドレ・ロッテラーニック・タンディPorsche LMP TeamPorsche188 162アール・バンバーティモ・ベルンハルトブレンドン・ハートレーPorsche LMP TeamPorsche17018周268中嶋一貴セバスチャン・ブエミアンソニー・デビッドソンToyota Gazoo RacingToyota15929周 7小林可夢偉マイク・コンウェイステファン・サラザンToyota Gazoo RacingToyota160 9ニコラス・ラピエール国本雄資ホセ・マリア・ロペスToyota Gazoo RacingToyota154 関連:【動画】 2017年 ル・マン24時間レース 決勝ハイライト