FIAとFOTAの論争により、トヨタとルノーがF1から弾き出される可能性が浮上している。今週の交渉でもFIAとFOTAは妥協点を見つけておらず、6月19日(金)の最終期限を過ぎてしまう可能性がある。ブラウンGP、トヨタ、ルノー、マクラーレン、BMWザウバーの5チームは、FIAから送られてきた書簡に署名し返送しなければ2010年のF1グリッドから締め出されることになる。
締め出された場合、小さな新規参入チームを買収して来年も参戦することは可能ではある。しかし、一方でF1チームの同盟であるFOTAが最後の日を迎えるとも噂されている。分裂シリーズ構想は単なる脅しだと思われており、単に2010年のF1に参戦する意向のないチームが金曜日の期限を過ぎるとみられている。FOTAの8チームのうち、上記5チームのエントリーは条件付きとなっており、フェラーリとレッドブル系チームは既存契約があるため、議論はあるものの条件なしでのエントリーとして扱われている。この5チームのなかで、ブラウンGP、マクラーレン、BMWザウバーの3チームは、新たに分裂シリーズが設立されなければ、FOTAから脱会してでも2010年のエントリーを申請するとみられている。FOTAから脱会するには、満場一致が必要であり、未許可の脱会を禁止する5,000万ポンドの違約金を支払う必要がある。フェラーリとレッドブルがF1を離脱する場合、FIAとの協定だけではなく、FOMとの別の協定にも違反することになり、高額の法的措置がとらえる可能性がある。ブラウンGP、マクラーレン、BMWザウバーがFOTAを脱会し、無条件エントリー組のフェラーリ、レッドブル、ウィリアムズ、フォース・インディアに加わった場合、トヨタとルノーの2チームが孤立することになる。そうなった場合、トヨタとルノーは単にF1から撤退するか、ル・マンなどの既存の他カテゴリーに移るしか方法はなくなる。F1の最高権威者であるバーニー・エクレストンは、そのような結果も起こり得るだろうと語る。「申請したがっているが受け入れられていない5つのチームのいくつかは、入ってくるだろう。そして他のチームは彼らがやりたいことをするだろう」