2018年のスーパーフォーミュラ 第4戦の決勝が7月8日(日)に富士スピードウェイで行われ、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)が参戦2年目にして嬉しい初優勝を果たした。気温30℃、路面温度37℃というコンディションの下、午後2時15分にフォーメーションラップがスタート。1周の隊列走行を終え、55周のレースは開始した。
スタートではポールポジションスタートのニック・キャシディが首位をキープ。石浦宏明、関口雄飛、中嶋一貴と続き、山本尚貴は5番手まで後退することになった。だが、山本はオープニングラップのヘアピン進入で、一貴をオーバーテイク。4番手にポジションを戻してくる。スタートから約10周というところで、ピットは早くも動き始める。まず9周を終え、燃費のウィンドウがギリギリ開いたところでピットに飛び込んできたのは、伊沢拓也、小林可夢偉、トム・ディルマンの3台。その翌周には、平川亮、野尻智紀、ナレイン・カーティケヤン。さらにその翌周には国本雄資、塚越広大、ジェース・ロシター、山下健太の4台がピットに入り、いずれもソフトタイヤへの交換と給油を終えてコースに戻った。この時点で、コース上を走っているクルマは、全車がソフトタイヤを履いている状況となる。この時、膠着していたのはトップ争いのニック・キャシディと石浦宏明。1秒から1.3秒という僅差の中で、2人は周回を重ねて行く。だが、その前に、ピット作業を終えたドライバーたちが出てきてしまったため、タービュランスの影響で、2人はラップタイムを落とすことになってしまった。その頃、3番手の関口雄飛以下、山本尚貴や中嶋一貴は思うようにタイムを上げられず、トップの2台からは引き離されることに。それに代わってトップと変わらないか、あるいはトップを上回るペースで走り始めたのが、ソフトに換えた国本雄資だった。20周を終えたところで、トップと国本の差は1分03秒。だが、キャシディと石浦がトラフィックに引っ掛かっている間に、その差は縮まり30周を終えたところで、国本との差は59秒となった。こうした中、上位勢の中でも、ピットが動き始める。まず24周を終えたところで3番手を走行していた関口雄飛がピットイン。だが、ミディアムタイヤへの交換と給油を終えた関口がコースに戻った時には、国本雄資と平川亮が先行。関口はポジションを落とす結果になった。その2周後、27周目の1コーナーでは、中嶋一貴がペースの上がらない山本尚貴をオーバーテイク。山本は、その周を終えるとピットに向かう。ここでミディアムタイヤへの交換と給油を終えた山本は、関口の後ろでコースに戻った。さらに、30周を終えたところで、見た目上の5番手まで浮上していたダニエル・ティクトゥムがピットイン。ミディアムタイヤへの交換と給油を終えたティクトゥムは、キャシディと石浦の目の前でコースに戻った。その影響でキャシディと石浦の差がグッと縮まり、石浦はオーバーテイクボタンを使いながら、ダンロップコーナーでキャシディ攻略を試みた。だが、ここでキャシディはギリギリ踏み止まる。そして、35周を終えたところで、ニック・キャシディがピットイン。チームはミディアムタイヤへの交換と給油を12秒9と素早い作業で済ませ、キャシディは国本雄資の前でコースに戻ることに成功する。一方の石浦は、キャシディがピットに入り、前が開けたところで猛プッシュ。ピット作業での逆転を狙った。しかし、ミディアムタイヤに履き替えてからのキャシディのタイムは、石浦とほぼ同等か、コンマ1~2秒速い。石浦はキャシディがピットに入ってから5周引っ張り、40周を終えたところでピットに入ったが、作業を終えてからの動き出しに少し時間が掛かったこともあり、逆転は叶わなかった。その後、見た目上のトップに立った中嶋一貴は42周を終えたところで、また和也は44周を終えたところでようやくピットイン。一貴は関口の前、大嶋は関口の後ろでコースに戻る。これで全車がピット作業を終え、順位はキャシディ、石浦、国本、平川、一貴、関口、大嶋、山本となっていた。ここからの終盤で、激しいポジション争いを演じたのは、大嶋と関口。大嶋は再三、関口の背後につき、攻略の機会を狙った。特に49周目の1コーナーでは大嶋が関口に並びかけたものの、コカ・コーラコーナーまでほぼ並走となり、関口がポジションを死守。その後も僅差のバトルが続いたが、最後まで順位の入れ代わりはなかった。さらに、その後方でも、小林可夢偉と塚越広大、ジェームス・ロシターと山下健太らのバトルが勃発。ロシターはコカ・コーラコーナーでイン側からオーバーテイクを仕掛けた山下と接触し、山下はコースアウト。ロシターが山下を飛ばす形となったため、レース後に危険行為と判定され、結果に60秒加算とペナルティーポイント1点を科されている。一方、ピットイン前までテール・トゥ・ノーズの息詰まる戦いとなったトップ争いだったが、ピットイン後はニック・キャシディのペースが若干勝っており、最後は4秒以上の差に。キャシディはそのまま逃げ切って、嬉しい初優勝を果たした。2位の石浦、3位の国本は、今季初表彰台を獲得。以下、平川、一貴、関口、大嶋、山本までがポイントを獲得した。今回のレースで、ポールポジションの1ポイントも加えて、ニック・キャシディは11点の大量得点。逆に1ポイントに留まった山本尚貴との差を大きく縮め、選手権ポイントでわずか1ポイント差にまで迫った。さらに石浦も13ポイントまで伸ばし、山本と9ポイント差となった。優勝 No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)「うれしくてたまらない。タフな戦いだったからね。スタートはホイールスピンしないように、安全に…、と気をつけていた。新しいクラッチシステムを導入していたこともあって、どう使うかも課題だったしね。まずスタートはOKだったし、レースもリードできたし、うまくソフトタイヤを使えるようマネージメントしたんだ。ただ、20周くらいの間、周回遅れのクルマに絡んでしまったこともあってダメかもと思ったこともあった。でも勝つことができたのはラッキーだったね。今日は、スタート時のタイヤがソフトでもミディアムでも大した差はなかったんだ。一方で20周くらいのバックマーカーによるトラフィックだけど、僕が完璧な状況を作ってリーダーとしてトップを走り、レースをマネージメントしていたにもかかわらず、バックマーカーが前にいることでペースが1秒ほど落ちてしまった。それに後ろにいた石浦選手...
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