佐藤琢磨が、バルセロナテストを終えて帰国。22日に都内で行われたファンイベント“Takuma Club Metting 2008”に参加した。前日に帰国したという琢磨は、時差ボケで「1時間くらいしか寝ていない」と語りながらも、1000人近いファンが集まったリラックスした雰囲気のなか、2度のトロ・ロッソでのテストを含めて興味深いトークを繰り広げた。
バルセロナでは1日半で200周を走破し、初日をトップタイム、2日目を2番手タイムで終えた佐藤琢磨。感想を聞かれ「走ったねぇ」と振り返った琢磨は、トロ・ロッソでのテストの模様を語った。「ヘレスのテストは午前中の3時間しか走れなくて、午後は雨が降ってきちゃって、このまま終わるのは嫌だなと思っていたんだけど、バルセロナでは、1日半で200周走ったことは今までなくて、初日120周も自分の中では大きなナンバーだったんだけど、午前中だけで79ラップということも聞いたことがない」「でも、それだけエンジニアもとにかくプログラムを凝縮して、たくさん走ってもらいたい、その中でデータを獲りたい。で、自分もそれに100%の気持ちで応えたいという思いがあったので、乗ってて、毎ラップ、毎コーナー、楽しくて仕方がなかった」「だって、クルマ速いんだから!(笑) 速いんですよ、あのクルマ。ほんとに!」ファンからの質問コーナーでは、「ラップタイムだけではわからない」「実はもうシートが決まっているんじゃないか」との声も。琢磨は「素晴らしい読みだと思います」と冗談を飛ばしながら、自信の見解を語った。「チームはサーキットのコンディションを綿密に分析している。全体的なタイムの上がり下がりには傾向がある。路面温度だったり、風が出てきたりで、ほんのちょっとした微妙なことで、ラップタイムが大きく変わってくる。路面が良くなってきた、悪くなってきたとか、F1チームは、それも自分のドライバーがのっている時は、どういうタイヤでどういうことを試していて、ガソリンがどれだけ入っていてとか、全部わかるんですよ。だから、ほぼ間違いないレベルを補正をかけることができて。そういう意味では、配はしていないですね」「僕がこの間バルセロナで走った。インストレーションラップから走って、少なくとも僕がトラック上にいて、タイムを刻んでいる限り、誰にも負けなかった。1周目〜2周目でポーンと上野法に行ったんだけど、そっから1回も下りなかったと思う。少なくとも1日目はトップで終われたし、2日目も午前中はトップだったわけだから、それを見てもらえばいいと思う」「だだし、他のチームに関しては、正直言ってわからない。今の時点では、2009年の空力の違うことを試しているチームがあったり、フェラーリとマクラーレンがあのスピードでずっと走るとは思えない。だから、テストはなんとも言えないけど、少なくとも前にいるというのは気持ちがいいことだった」「とにかく、ラップタイムが出せて、それで一喜一憂するのは、それも楽しみだとは思うけど、大事なのは、本当に1日終わった時に“良いテストだったな、良い一日だったな”と思えることが大事で、そういう意味では、前回のヘレスはちょっと天候で残念な部分もあったけど、あの日も良いテストだったことに間違いはなくて、今回のバルセロナは本当に良いテストだった」来年のことを聞きたいんじゃない?という司会者の突っ込みには、「さっき答えちゃったじゃないですか。楽勝だって」とジョークを交えながらも本音を覗かせた琢磨。テストで速さを見せられたことについて、手応えを語った。「そこはチームも、そこを再確認ではないけど、見ておきたいというか。やっぱりF1の世界は流れがあまりにも速いから、ちょっと離れちゃうと、全く忘れ去られちゃう。自分もどんどん自信もなくなっちゃうし」「今回のテストは、チームが再認識したというだけじゃなくて、チームが今後、僕を選ぶかどうか・・・まぁ、僕を選ぶんだろうけど、どうなっても何も言わせない、文句を言わせない状況を作っておきたかったんじゃないかなと思うんですよ。それは自分たちのためでもあるし、そういう意味でも、今回のテストは凄い大事だった」「ちゃんとレースで実証されないと意味がないので、これ以上は言わないけど、もちろん来年はなんとかレースをやりたい」
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