宮田莉朋が、4月12日(金)から14日(日)にかけてスペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで行われた2024年ELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)第1戦バルセロナ4時間レースに出場。デビュー戦での優勝を果たした。昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、FIA-F2選手権で既に3戦を戦っているが、同時に今季、ELMSのLMP2クラスにもクール・レーシングからシリーズ参戦する。
ELMSは名前の通りヨーロッパを舞台とする、全6戦のシリーズで、成績上位チームにはル・マン24時間レースへの出場権が与えられ、LMP2、LMP2プロ/アマ、LMP3、LMGT3の4クラスの混走でレースが行われる。宮田莉朋はこの中で最速のLMP2クラスに、スイスのチームであるクール・レーシングから、ロレンツォ・フルクサ、マルテ・ヤコブセンと共に37号車で参戦する。【予選】開幕に先立ち、8日(月)、9日(火)の2日間にわたりカタルニア・サーキットでプロローグテストが実施。2日間で合計17時間の走行機会が設けられ、宮田莉朋も参加し、初めてのLMP2車両に慣れると共に、開幕戦へ向けた準備を整えた。開幕戦は12日(金)の公式練習1回目で走行が開始され、13日(土)は午前中の公式練習2回目に続き、午後に予選というスケジュール。この間にはオートグラフセッションなどファンの皆様との交流の機会もあり、宮田は日本のチャンピオンとして現地の熱心なファンにも注目を集めていた。LMP2クラスの予選は、他のカテゴリーのあと、午後3時55分より15分間で行われ、宮田莉朋が所属するクール・レーシングの37号車は、宮田がアタックを担当することとなりました。宮田はセッション前半に記録したタイムが抹消され、一時最後尾に落ちるなど、僅差での激しい予選アタック合戦の中、終盤落ち着いてタイムを縮めていき、チェッカーラップでは5番手に浮上。同じチームの47号車とは0.013秒差という好タイムで、デビュー戦での予選アタック担当という大役を果たした。宮田莉朋「予選5位で終えました。初めての予選でしたが、チームメイトと差が少ない中で5位でしたし、明日のレースは長いので、良い位置からスタートできるかなと思います。今日は開幕戦ということで、かなりお客さんも入っていて、僕にもサインを求めてくださったり、写真を撮ってほしいとお願いされたりと、ヨーロッパでもファンがいるということをこちらでも感じられてすごく嬉しいです。明日のレースも皆さんの応援を力にして、良いレースにしたいなと思います」【決勝】14日(日)暖かく晴れ渡る中、午前11時半より4時間で争われる決勝レースのスタートが切られた。LMP2クラスでは、3名のドライバーがそれぞれ最低1時間はドライブすることが義務づけられている。37号車はフルクサがスタートを担当。フルクサは5番手グリッドから好奪取を決めて2位へと一気に順位を上げると、フルコースイエローからの再スタートで首位を奪取した。フルクサは1時間10分ほどのスティントを担当し、首位のまま宮田莉朋へとドライバーチェンジ。他のチームとはやや異なる戦略を採った37号車は、変則的な2スティントで合計1時間18分走行。ピット及びタイヤ戦略の違いもあり、担当スティントの終盤にライバルの先行を許したが、ヤコブセンへとドライバー交代を行って全車がピットを終えた際逆転し首位へと復帰した。その後、ヤコブセンは後続との差を保ち、最後は16秒差でトップチェッカー。今季よりLMP2クラスへとステップアップしたクール・レーシングの37号車は、宮田莉朋ら3人の若きドライバーと共にLMP2クラスでのデビュー戦初優勝を果たすこととなった。宮田莉朋「ELMS開幕戦、優勝することができました。まずはロレンツォのスタートが素晴らしく、第1スティントからトップに躍り出ることができて、僕のスティントは、周りのストラテジーと異なった作戦もあり、厳しいスティントだったのですが、自分の中でしっかりチームの戦略に従って最後のマルテ(ヤコブセン)に繋げました。結果的に優勝できましたし、チームの素晴らしい戦略と、素晴らしい走りをしたチームメイトに感謝しています。たくさんの応援、ありがとうございました。また、サーキットでもたくさんのファンの方がいて、とても嬉しかったです。次戦のポールリカールも優勝目指して頑張ります。応援ありがとうございました」ELMS 第1戦 バルセロナ4時間レース 宮田莉朋 個人成績(LMP2クラス)予選) Best Time 1:28.489(LMP2クラス予選出走14人中5番手)決勝) Fastest Time 1:32.267(LMP2/LMP2プロアマクラス決勝出走66人中28位)走行周回数 50周(全139周中)