2026年F1第8戦オーストリアGP予選でジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得した。Q3終盤にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がクラッシュする波乱が発生したが、ラッセルは黄旗区間をクリアして逆転し、今季2回目のポールポジションを手にした。フェラーリ勢も好調な走りを披露し、シャルル・ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手を獲得。メルセデスはキミ・アントネッリが4番手に入り、2台揃って上位グリッドを確保した。
Q3最終アタックでは各車が自己ベスト更新を狙う中、フェルスタッペンがターン9でマシンのリアを失い、グラベルを横切ってバリアへ激突。セッション終盤は黄旗が提示される緊迫した展開となった。最初のアタック終了時点で暫定ポールだったアントネッリは、クラッシュ現場に遭遇したことでアタックを中止。一方、チームメイトのラッセルは黄旗区間で減速しながらもタイムをまとめ上げ、1分06秒113を記録した。これにより、直前まで首位だったルクレールを0.236秒上回り逆転。ハミルトンも3番手につけ、メルセデスとフェラーリがフロントローから2列目までを占める結果となった。フェルスタッペンは最後のアタック中、ターン9でマシンの挙動を乱してクラッシュ。タイム更新はならず5番手に終わった。マクラーレン勢はランド・ノリスが6番手、オスカー・ピアストリが7番手。レーシングブルズはアイザック・ハジャーが8番手、リアム・ローソンが9番手、アービッド・リンドブラッドが10番手でトップ10入りを果たした。Q2ではピエール・ガスリー(アルピーヌ)が最後にフェルスタッペンを脅かしたものの、わずか0.04秒届かず11番手で敗退。アウディ勢、ハース勢、そしてチームメイトのフランコ・コラピントが続いた。苦戦が続くウィリアムズはカルロス・サインツJr.が最終コーナーでスライドした影響もあり17番手。アレクサンダー・アルボンも18番手に終わり、2台揃ってQ1敗退となった。キャデラックは大型アップデートを投入したものの、セルジオ・ペレスが19番手、バルテリ・ボッタスが20番手と中団進出はならなかった。また、アストンマーティンも厳しい週末が続き、フェルナンド・アロンソが21番手、ランス・ストロールが22番手で最後尾に沈んだ。■Q1:アントネッリ最速 ウィリアムズとアストンマーティンが苦戦Q1は気温33.4度、路面温度53.5度という厳しい暑さのなかでスタート。多くのトップチームはソフトタイヤ1セットで突破を狙う戦略を採用した。序盤はラッセルがトップタイムを記録したものの、ノリス、そしてアントネッリが次々と更新。アントネッリは1分07秒083を記録し、ノリスに約0.2秒差をつけてQ1最速となった。終盤はサインツJr.、コラピント、オコンらが最後のアタックに挑戦。コラピントはQ2進出圏内へ浮上した一方、サインツJr.は最終コーナーで大きくスライドしたことでタイムを失い、17番手で敗退した。アルボンも18番手に終わりウィリアムズは2台揃ってQ1敗退。キャデラックのペレス、ボッタス、アストンマーティンのアロンソ、ストロールも突破できず姿を消した。■Q2:ガスリー0.040秒届かず フェルスタッペンは薄氷の突破Q2ではノリスが使用済みソフトタイヤで先陣を切り、ルクレールが1分07秒030でトップタイムを記録。その後、アントネッリが1分06秒763までタイムを縮め、再びセッション最速となった。一方、ラッセルは新品ソフトでのアタックを途中で中止してピットへ戻り、一時はノータイムという危機に陥る。しかし残り時間わずかとなったところで使用済みタイヤのまま再アタックを行い、4番手まで浮上して危なげなくQ3進出を決めた。最後のアタックではローソンとリンドブラッドがともにタイムを更新し、フェルスタッペンは10番手まで後退。ガスリーも自己ベストを連発して猛追したが、フェルスタッペンに0.040秒届かず11番手となり、惜しくもQ3進出を逃した。■Q3:フェラーリ躍進もラッセルが劇的逆転 フェルスタッペンはクラッシュQ3最初のアタックではフェルスタッペンが1分06秒475を記録してトップに立ったが、その後アントネッリが1分06秒414で逆転。ラッセルも0.043秒差につけ、メルセデス勢が主導権を握った。一方、ハミルトンは最初のアタックでコースアウトし、タイムを記録できないまま最後の1周勝負を迎えることになった。最終アタックではハミルトンが一時トップに立った直後、ルクレールがそれを更新して暫定ポールを獲得。しかし、その直後にフェルスタッペンがターン9でリアを失ってクラッシュし、黄旗が提示される波乱となる。クラッシュ現場に最初に到達したアントネッリはダブルイエローと判断してアタックを中止。一方、後方を走っていたラッセルは減速しながらも走行を続け、1分06秒113を記録して逆転ポールを獲得した。ラッセルのラップは黄旗区間通過のため審議対象となったが、FIAは現場がシングルイエローだったと判断。ラッセルは約100mにわたってアクセルを緩め約0.15秒を失っていたことも確認され、さらなる調査は行われずポールポジションが正式に確定した。ジョージ・ラッセル「黄旗では大きく減速した」ポールポジションを獲得したラッセルは、黄旗区間で十分に減速していたことを強調した。「イエローフラッグは見えていた。大きくアクセルを戻していて、その時点ではコンマ5秒リードしていたけど、通過した時にはコンマ25秒まで縮まっていた。だから問題ないはずだ。あのラップを決められて本当に特別な気分だ」シャルル・ルクレール「フロントローは予想外だった」2番手を獲得したルクレールは、ここ数戦の苦戦を踏まえ、予想以上の結果だったと喜びを語った。「今日の結果にはかなり満足している。ここ数戦は厳しい週末が続いていたから、とにかくクリーンな予選をまとめたかった。正直に言えば、予選が始まる前はフロントローを獲得できるとは思っていなかった。本当に驚いている」ルイス・ハミルトン「フェラーリの努力が報われた」最後のアタックだけで3番手を獲得したハミルトンは、チーム全体の成果を称えた。「フェラーリが2番手と3番手を獲得できたのは本当に素晴らしいことだ。ファクトリーで懸命に働いてくれている全員の努力が結果として表れたと思う」