ルノーは、2015年シーズンのスタートにむけてパワーユニットに“根本的な改良”を施したと述べた。V6ターボ初年度となった2014年、ルノーは新しいエンジンレギュレーションに苦戦。ルノーのパワーユニットには信頼性がなく、パフォーマンス面でもライバルのメルセデスに遠く及ばなかった。昨シーズン終了後にエンジン開発が解禁となって以降、ルノーは新しい改良型パワーユニットのパフォーマンスアップを目指してハードワークを重ねてきた。
「我々はパフォーマンスと信頼性を得るために根本的な改良を行った」とルノー・スポーツF1のチーフテクニカルオフィサーを務めるロブ・ホワイトは述べた。「最もパフォーマンスを与えるアイテムを優先し、全てのシステムとサブシステムをアップグレードした。内燃エンジン、ターボチャージャーとバッテリーが主な変更点に含まれている」「2015年のレギュレーションに則り、内燃エンジンの燃焼室は新しくなり、エキゾーストシステムのコンセプトと可変トランペットも新しくなった。コンプレッサーは効率性が良くなり、エネルギー回生システムはより厳しい使用に耐えられるようになった」「2014年のユニットは重心という面ですでに優れていたが、さらにパッケージングを整理することによってシャシーへの統合を容易にした。それに加え、今までよりもタスクを容易にするために多くのシステムと機能が合理化され、単純化された。簡単に言えば、2014年から2015年のパワーユニットに持ち越されるピースは非常に少ないということだ」2015年の開発は、コストが制御不能になるのを防ぐために“トークン”システムが使われている。F1パワーユニットは、合計66のトークンによって作られており、マニュファクチャラーは2015年にそのうち32のトークンについて開発が可能となっている。開幕戦まで全てのトークンを使用する必要はないが、ルノーはその大半を消費する予定だという。「昨年と深くして、あらゆるエリアでパワーユニットに多くの改良を加えてきた」とオペレーション責任者のレミ・タフィンは述べた。「どのパーツを変えたのかについての詳細を語るつもりはないが、メルボルンには昨年と非常に異なるエンジンで行くことになる。今年はシーズン中に32のトークンを使うことが可能だ。その大部分をオーストラリアまでに使い切ってしまう計画だが、柔軟性を考えて少しだけ残しておくつもりだ」ロブ・ホワイトは「初戦までに大半のトークンを使い果たすことになり、シーズン中のトークン利用はわずかとなる。残りのトークンをいつ投入するかについては、戦略の問題だ」とコメント。「シーズンの最初に投入すれば、技術が比較的未熟な分、比較的大きなパフォーマンスが得られるだろう。シーズン後半の場合、パフォーマンス面の効果は少なくなるだろうが、テストマイルを重ねたパーツに使用できる。スポーティングレギュレーションで決まっているように、信頼性に関する改良はまだ可能だ。そのため、我々はできる限りパフォーマンスが良くなるものを優先してトークンを使ってきた」マネジングディレクターのシリル・アビテブールは、この冬のルノーの進歩によって、パワーユニットを供給するレッドブルとトロ・ロッソの競争力が2015年に飛躍的に向上することを望んでいる。「冬の間にやらなければならないことはわかっていたし、どれだけ達成できたかもわかっている」とシリル・アビテブールは述べた。「パフォーマンス面で非常に大きなステップを果たした確信しており、信頼性も良くなった。他の人々の進歩はわからない。全てのギャップをなくせたとは言えないかもしれないが、昨シーズンの弱点を埋めるために大きな仕事をしたという自信はある」「我々の目標は可能な限りギャップを縮めることであり、レッドブル・レーシングとスクーデリア・トロ・ロッソにそれぞれの個性と感性に合った競争的なマシンを多くのサーキットで与えることだ」関連:F1:パワーユニット開発の『トークン』とは?
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