レッドブルが、姉妹チームであるレーシングブルズに対する約30億ドル(約4,400億円)の買収提案を拒否したと報じられた。巨額オファーを退けたことで、同社がF1で展開するA/Bチーム体制を今後も維持する方針を明確にした格好だ。英『The Times』によると、買収提案はアブダビの投資ファンドが支援し、元F1最高責任者バーニー・エクレストンの顧問を務めた金融関係者アンドリュー・ハリオット氏と、元エクレストン陣営の調査担当だったディーン・アトゥ氏が主導したという。
レッドブルはこの提案を受け入れず、レーシングブルズを引き続きグループ内で保有する決断を下した。GPFansはレッドブルにコメントを求めているが、現時点で公式な回答は出ていない。レッドブルはA/Bチーム体制を維持今回の判断は、レッドブルがレーシングブルズを単なる育成チームではなく、競争力を支える重要な戦略資産と位置付けていることを示している。ファエンツァを拠点とするレーシングブルズ(旧トロロッソ/アルファタウリ)は、若手ドライバーを育成しトップチームへ送り出す役割を担ってきた。レッドブルは近年も積極的なドライバー交代を行っているが、この体制によって実戦経験を積ませながら才能を見極めることが可能となっている。2026年にはアイザック・ハジャーがレーシングブルズからレッドブル・レーシングへ昇格。2025年の活躍が評価され、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして起用されると、ここまで安定したパフォーマンスを見せている。ライバルチームは公平性に懸念一方で、このA/Bチーム体制にはライバルチームから批判の声も上がっている。マクラーレンCEOのザク・ブラウンはFIA会長モハメド・ビン・スライエム宛てに書簡を送り、「スポーツの完全性と公平性が損なわれる恐れがある」と警鐘を鳴らした。ブラウンは「所有関係や戦略的提携、あるいはそれに準ずる支配・影響力を持つ関係を排除し、すでに存在するものについても解消に向けた取り組みを始める必要がある」と主張。現在のチーム間の関係性を見直すようFIAに求めている。30億ドルより将来性を優先F1チームの企業価値が近年急騰するなか、30億ドルという巨額の買収提案は極めて異例だった。それでもレッドブルは売却ではなく、育成・技術開発・競争力の維持という長期的なメリットを重視し、A/Bチーム体制の継続を選択した。一方で、この体制を巡る公平性への議論は今後も続く見通しであり、FIAが将来的にどのようなルール整備を進めるのかにも注目が集まりそうだ。
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