レッドブル・レーシングは2026年F1イギリスGPで再び厳しい週末を過ごした。オーストリアGPで今季自己最高の2位を獲得してからわずか1週間後、マックス・フェルスタッペンにとってシルバーストンは一転して悪夢の舞台となった。レース終盤にはアンドレア・キミ・アントネッリのトラブルもあり表彰台圏内を走行していたが、残り4周でストウコーナー進入時にRB22のコントロールを失ってクラッシュ。そのままグラベルに捕まりリタイアを喫した。
こうした苦戦の背景にはマシン性能だけでなく、チーム内部の体制変化も影響しているとの見方が浮上している。シルバーストンで露呈した深刻な危機感レース後、フェルスタッペンは現在の状況への苛立ちを隠さなかった。Sky Sports Germanyに対し、次のように語っている。「多くの問題を抱えていることもそうだが、そもそもマシンが遅すぎることが腹立たしい」さらにRB22の改善策について問われると、「現時点では何とも言えない」とコメント。ミルトンキーンズのチーム内では現在、全体的に悲観的なムードが漂っていると伝えられている。こうした状況に追い打ちをかけているのが、長年フェルスタッペンのレースエンジニアを務めてきたジャンピエロ・ランビアーゼのマクラーレン移籍だ。現地では、この移籍を巡る話題そのものがチームの置かれた厳しい状況をさらに悪化させているとの見方も出ている。ランビアーゼの段階的な離脱がレッドブルに影響オランダ紙『De Telegraaf』のF1ポッドキャストで、ジャーナリストのエリック・ファン・ハーレンは、ランビアーゼの退任準備がチーム運営にも影響を及ぼしていると説明した。元F1ドライバーのクリスティアン・アルバースとの対談で、ファン・ハーレンは次のように語っている。「ランビアーゼはもうすべてに関わっているわけではない。ミーティングなどへの関与も以前ほどではない」「この移行期間はチームにとって少々厄介な問題になっている。ただ、いずれ退団する人物なのだから、それ自体は自然な流れでもある」ランビアーゼはフェルスタッペンと長年コンビを組み、レース戦略だけでなく、マシンセットアップの方向性を決める上でも重要な役割を担ってきた。その存在感の大きさを考えれば、徐々に現場から距離を置く状況がチームに影響を及ぼしても不思議ではない。セットアップにも苦戦したイギリスGPイギリスGPではフェルスタッペンが週末を通してRB22のバランスに不満を抱えていた。スプリントフォーマットのため金曜日のフリー走行は1回しかなく、その限られた走行機会の中でレッドブルのエンジニア陣は理想的なマシンバランスを見つけることができなかった。その影響は予選から決勝まで尾を引き、レース中も本来の競争力を発揮できなかったとみられている。フェルスタッペンの去就も依然として不透明ファン・ハーレンは、チーム内にはフェルスタッペンの将来を巡る緊張感も存在すると指摘する。レッドブルは2027年に向けて自社製パワーユニットの開発や新風洞の稼働など将来計画を進めている。「レッドブル側は『初めて自社エンジンを開発しているが、年初と比べれば大きく前進している。来年には新しい風洞も完成する』という考えだ」一方で、フェルスタッペン本人は現在の状況に強い不満を抱いているという。「彼は今、まったく違う方向を見ている。あまり前向きではない」さらにファン・ハーレンは、レッドブル首脳陣がフェルスタッペンから早期に将来についての意思表示を得たいと考えている一方で、本人は決断を急いでいないと説明した。「彼らは以前から答えを求めている。もちろん懇願しているわけではないが、とにかく返答が欲しいんだ。しかしフェルスタッペンは『急ぐつもりはない。まだ何も決めない』という姿勢を貫いている。そのことが双方に多少の摩擦を生んでいるのは間違いない。これは私の見立てだ」今回の報道は、レッドブルの苦戦がマシン開発だけの問題ではなく、主要スタッフの離脱準備やチーム内の雰囲気、さらにフェルスタッペンの将来を巡る不透明感など、複数の要因が重なって生じている可能性を示している。シーズン後半に向けてチームが状況を立て直せるかどうかは、技術開発だけでなく組織全体の安定性も大きな鍵となりそうだ。【関連】・マックス・フェルスタッペン F1夏休み後に契約解除条項を行使可能に
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