レッドブルF1のローラン・メキース代表は、2026年から導入されるパワーユニット救済制度「ADUO(Adjustment of Dyno Usage Offset)」を巡り、FIAがレッドブル・フォードの内燃エンジン(ICE)をベンチマークと判断したことに異議を唱えた。FIAはモナコGPの週末に各メーカーへ評価結果を通知し、レッドブル・フォードが最も高性能なICEを持つと認定。これによりメルセデスやホンダ、フェラーリ、アウディF1が開発面で一定の優遇措置を受けることになった。
しかしレッドブルは、この評価を裏付ける十分なデータが存在しないとして再検証を要求。FIAも現在、データを改めて精査している。メキース代表「優位性を示すデータは見当たらない」メキース代表は、レッドブルがADUO制度そのものに反対しているわけではないと強調した。「ルールがICEの性能順位だけを評価対象にすると定めていることについては完全に賛同している」「我々はその考え方に何の問題も感じていないし、全員が合意した内容だ」一方で、評価結果については疑問を抱いているという。「より深い議論が必要だと考えているのは、我々がメルセデスに対して優位に立っていることを示すデータサンプルを一つも確認できていないからだ」メキース代表によれば、サーキットごとの特性によってパワーユニット性能の影響度は大きく変化するため、ICEの序列を判断するには極めて慎重な分析が求められるという。サーキット特性が評価を難しくするメキース代表は今季の各レースを例に挙げながら、自チームの主張を説明した。「ICE性能への依存度が高いカナダでは予選6番手だった」「一方でICE依存度が低いモナコでは、ポールポジションからわずか0.04秒差まで迫った」「そして再びICE依存度が高いバルセロナでは6番手に戻った」こうした結果は、レッドブル・フォードが圧倒的なエンジン優位を持っているという見方と一致しないと主張する。「我々は競争相手より上だと判断できるデータを一つも見ていない。それどころか、一貫して上回っていることを示す証拠も存在しない」フェラーリ躍進はPUと空力の相乗効果と分析またメキース代表は、バルセロナ・カタルーニャGPでルイス・ハミルトンにフェラーリ移籍後初勝利をもたらしたフェラーリの躍進にも言及した。フェラーリは同週末に大規模なアップグレードパッケージを投入しており、メキース代表はシャシー性能だけでなくパワーユニットの競争力も結果に反映されたとの見方を示した。「彼らは非常に大きなアップグレードパッケージを投入した。まずはルイスの初勝利を祝福したい」「ここ数戦でメルセデスと追う側のチームとの差は徐々に縮まっていた」「そしてフェラーリは大きな前進を果たした。バルセロナのようなサーキットで勝利したことは、シャシーとパワーユニットの両方が高いレベルにあることを示している」2026年の新PUレギュレーション導入を前に、ADUOを巡るメーカー間の駆け引きは今後さらに激しくなりそうだ。FIAによる再検証結果が、各メーカーの開発戦略に大きな影響を与える可能性がある。
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