レッドブルF1にとっての歴史的な転換点は、2009年4月19日に訪れた。中国GP決勝は激しい雨に見舞われる中で行われ、その過酷なコンディションのなかでセバスチャン・ベッテルがポールポジションから完璧なレースを展開。チームメイトのマーク・ウェバーとともに1-2フィニッシュを達成し、レッドブル・レーシングにとってF1初勝利をもたらした。
雨の上海で刻まれたレッドブルの“始まり”この勝利は、ベッテルにとってはキャリア2勝目だった。前年、トロロッソで記録したモンツァでの初優勝に続くものであり、そのポテンシャルを完全に証明する結果となった。一方で、チームにとっての意味はそれ以上に大きい。レッドブルが参戦初期の育成・開発フェーズを経て、トップ争いに本格的に加わる転換点となった瞬間でもあった。ここから築かれた王者への系譜上海での初勝利以降、レッドブルは勝利を積み重ねていく。これまでにグランプリ勝利は129回を追加し、コンストラクターズタイトルも6度獲得するなど、F1のトップ勢力へと成長を遂げた。あの雨の一戦は、単なる1勝ではない。レッドブルがF1において“勝つチーム”へと変貌する、その起点となったレースだった。