レッドブル・レーシングのF1チーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、フェラーリがF1メキシコGPのリスタートに向けてシャルル・ルクレールのマシンにミディアムタイヤを装着することを避けたことに「非常に驚いた」と認めた。マックス・フェルスタッペンはスタート直後からポールシッターのルクレールに先行し、19周目のピットストップでハードコンパウンドに交換するまでに4.6秒のリードを築いた。
しかし、フェラーリはルクレールの最初のスティントを32周目まで延長。その1周前にケビン・マグヌッセンが高速シャントを喫したため、1ストップ作戦を延長することはできなかった。フェルスタッペンは、ターン9で破損したバリアの修復のため35周目にレースが中断される前から、レッドブルが2ストップ戦略を考えていたと認めている。2ストップ戦略はレッドブルのレース前の取り決めだったのかと尋ねられたホーナーは「そうだね。今日はアグレッシブに行った。コンパウンドが1ステップ軟らかくなたからね」と語った。「1ストップだと、ちょっとしがみつく感じになるし、攻めたレースをしようと考えた。マックスは、正しいタイヤを履くためにトラックポジションを譲ったとしても、攻撃的な戦略を取ることを強く望んでいた。それが金曜日からのプランだった」タイヤのデグラデーションが懸念される中、フェラーリはルクレールをハードのままでリスタートすることを選択した。しかし、ルクレールはハードで苦戦を強いられ、最終的には40周目にミディアムタイヤを履いたルイス・ハミルトン(メルセデス)に敗れて3番手に後退した。ルクレールがレースのほぼ半分をミディアムで走った後、ホーナーはフェラーリがフェルスタッペンを攻撃するためにミディアムに戻すだろうと確信していたと語った。「あの赤旗は2ストップの途中で考えられる最悪のタイミングだった。レースは無力化されるし、もちろんタイヤはハードセットしかなかった」とホーナーは説明する。「最初のスティントが長かったから、ルクレールがミディアムタイヤを履いてくると思っていた。スタートラインから5メートルほど価値があるからだ。彼らがハードタイヤを選んだのにはとても驚いた。ハミルトンがミディアムタイヤを履いていたのを見ただろうけど、彼は最後まで大丈夫だった」フェラーリはルクレールにハミルトンのミディアムタイヤが落ちると安心させたが、ハミルトンは終盤にその差を広げ、最後の走行でファステストラップを記録した。土曜日にポールポジションを獲得したルクレールは、フェラーリがハードコンパウンドでトラブルに見舞われたことで、レーストリムでのSF-23マシンの一貫性のなさを露呈したと認めた。「これは我々のクルマの弱点を裏付けるものだと思う。非常にピーキーなクルマだ」とルクレールは語った。「そして、クルマの最適なウィンドウから外れるたびに、あまりにも多くの時間をロスすることになる。そしてそれがまさにハードで起こったことだ」「最初は、ピットストップしてしまえばいい仕事ができると思っていた。でも赤旗が出て、タイヤが冷えて、また走り出したら、フィーリングが変わってしまって、再びタイヤのフィーリングを見つけることができなかった」「だから、それまでは、特にミディアムでは本当に良かったので、少し残念だ。でも何が悪かったのかを理解するために、ハードのほうをもう一度調べて、今後の改善につなげたい。「でも、短期的には大きな修正はないと思う。今言ったように、最適なウインドウから少し外れるたびに、タイムを失いすぎてしまう」