F1が強制的な2週間のサマーシャットダウンに入る中、元レッドブルのエンジニアが、ファクトリーでの仕事が実際には止まらないことを説明した。F1全10チームは現在サマーシャットダウン中で、レースとレースの間の2週間は、ノンストップスポーツであるF1においてスタッフにオフとダウンタイムを与えるため、全チームが遵守しなければならない義務的な期間となっている。
しかし、FIAによってレーシングチームに関わるすべての人が仕事をすることを禁じられているとはいえ、ファクトリーが完全に空っぽになるわけではない。マーケティング、人事、法務部、経理などはすべて仕事を続けることが許されている。元レッドブルのシステムエンジニアであるダン・ドゥルーリーは、2016年から2022年にかけてミルトン・キーンズに在籍していたときの舞台裏の見聞や経験を共有し、『F1ツイッター』でも目立つ存在となっているが、この2週間が会社のいくつかの部門にとって実際には非常に忙しいものであることを説明した。「今週末はチームが2週間の強制的な夏期休業に入るため、F1はない」と彼はツイッターに投稿した。「しかし、ファクトリーにとってはこの2週間が1年で最も忙しい時期になる。F1の舞台裏で活躍する縁の下の力持ちたちと、この期間がチームにとってどれほど重要なものなのかを教えよう」「シャットダウン期間とは、すべてのF1関係者が毎年夏にツールをを置いて、2週間ファクトリーから離れることを義務づけるものだが、このルールから除外されるスタッフが2グループいる。設備部門とIT部門だ。それは彼らにとって何を意味するのだろうか?」F1ファクトリーが本当に閉鎖されたり、電源が切られたりすることはないことを考えると、ドゥルーリーは2週間のF1運営休止期間がいかに重要なアップグレードやメンテナンス作業を可能にするのかを説明した。つまり、閉鎖期間が短いということは、プレッシャーに満ちた2、3日の間に作業を実施し、チェックし、調整しなければならないことを意味する。「F1ファクトリーは年中無休で稼働しているため、設備部門にとって、電力やインフラが中断されるのはこの時期だけだ」「発電機やバックアップのフェイルオーバーテストだけでなく、法律や保険の目的でさまざまな安全テストが行われる」「F1は常に進化しており、最新かつ最高の製造方法が求められているため、マシンショップではさまざまなCNCマシンの撤去や設置に追われることになる。一部の施設は規模が大きいため、専門チームとクレーンが作業に関与することになる」「IT部門は?データセンターとCFD(数値流体力学)クラスタが忙しくなるだろう。繰り返しになるが、電源をオフにすることが許されるのはこの時だけだ。通常は実装に数週間かかるプロジェクトを数日で完了する必要がある」「CFD環境を実行するHPC(高性能コンピューティング)環境全体が撤去され、代わりに新しいものがインストールされ、その他のインフラストラクチャのアップグレードやメンテナンスも行わる。そして、電源を入れ直したときにまだ動作していることを期待する」「F1の世界を覗いている我々にとっては、夏休みは静かな期間だ。だが、舞台裏では1年で最も忙しいスタッフもいて、彼らがこの期間に完了させる作業は、今後何年にもわたってチームに利益をもたらす可能性がある」
全文を読む