レッドブル・レーシングのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2022年F1第9戦カナダグランプリの決勝を振り返った。マックス・フェルスタッペンは70周レースの終盤に導入されたセーフティカーでリードを帳消しにされながらも、カルロス・サインツ(フェラーリ)の強力なプレッシャーを凌ぎきってシーズン6勝目を飾った。
しかし、ギアボックスと思われる問題から7周目でリタイアを強いられたセルジオ・ペレスにとっては、モントリオールでの日曜日は落胆の1日になってしまった。「今日のマックスは素晴らしかった」とクリスチャン・ホーナーは語る。「特にレース終盤、彼には大きなプレッシャーがかかっていた。今週末のマックスはプラクティス、予選、レースと全セッションを通じて絶好調だった。今日のフェラーリは非常に速く、またこのサーキットのDRSゾーン配置もあり、マックスの背後にカルロスが迫る展開になった。彼らがバッテリーをリチャージして仕掛けてくるシーンがたびたび見られたが、マックスは集中を高く保ち、実に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた」「チェコにとっては悔しい週末になってしまった。ギアボックスの問題が疑われているので、これからマシンが戻ってきたらすぐに何が起きたか調べることになる。シルバーストンへ向かうことに興奮を覚えている」レッドブル・レーシング 2022年 F1カナダグランプリ 決勝レポートスタートでは全車がクリーンな発進を見せ、グリッド最前列のマックス・フェルスタッペンはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)を抑えてリードを守る。サインツはケビン・マグヌッセン(ハース)の強力なプレッシャーにさらされているルイス・ハミルトン(メルセデス)の前方で3番手をキープ。はるか後方では、セルジオ・ペレスも良いスタートを決め、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)をかわして早くも11番手に上がる。マックス・フェルスタッペンは序盤からリードを広げ始め、3周目までにはサインツの対応に忙しいアロンソに対して約3秒のギャップを築く。しかし、DRSの使用が解禁されると、サインツがこれを活かして最終シケインでアロンソをパス。また、7周目にはハミルトンとのバトルでフロントウイングを傷めたマグヌッセンにブラック&オレンジフラッグが掲示され、ウイング交換のためにピットへ入る。8周目、セルジオ・ペレスはターン8へのアプローチでスローダウンし、彼のレースは突然の終わりを迎えた。セルジオ・ペレスは「エンジンを失った。ギアがスタックしている」と無線で報告し、ランオフエリアでマシンを停めた。これでバーチャルセーフティカー(VSC)導入となり、マックス・フェルスタッペンはすぐさまピットレーンへ向かいハードタイヤに交換。マックス・フェルスタッペンは、新たに首位に立ったサインツと2番手アロンソに続く3番手でコースに戻った。10周目を終えてVSCが解除されると、マックス・フェルスタッペンはサインツまで6.5秒差、アロンソまで4秒差となった。ジョージ・ラッセル(メルセデス)がVSC導入中にピットインしたチームメイトのハミルトンを抑えて4番手を走行。ハミルトンはすぐにエステバン・オコン(アルピーヌ)をかわして5番手に上がる。その後方では、19番手グリッドからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が13番手まで順位を上げた。13周目、ルクレールはランド・ノリス(マクラーレン)をパスすると、10番手アルボンのDRS圏内を走行するバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)追走をスタートさせる。先頭集団では、15周目を終えたマックス・フェルスタッペンがヘアピンでアロンソに接近し、最終シケインまでの加速で楽々とアロンソをかわして2番手に浮上。サインツとのギャップは5.4秒となった。一方、ボッタスは最終シケインでアルボンをパスして10番手に上がり、ルクレールも続くメインストレートでアルボンを仕留めて11番手に浮上する。20周目、ミック・シューマッハ(ハース)がセルジオ・ペレスと同じランオフエリアでマシンを停め、再びVSCが導入される。これによりサインツとラッセルにはピットインのチャンスが生まれ、両者はハードタイヤに交換。ところが、アロンソはステイアウトを選び、マックス・フェルスタッペンの後方7.7秒で2番手に上がる。スタートからハードを履き続けていたルクレールもVSC中にステイアウトし、22周目には7番手へ浮上。サインツがアロンソをかわして再び2番手を取り返し、アロンソはハミルトンにも先行を許してしまった。23周目、マックス・フェルスタッペンを9.3秒差で追うサインツはかなり新しめのハードタイヤを履いていた。しかし、フレッシュなタイヤを履いているにもかかわらず、サインツはマックス・フェルスタッペンとの差を大幅に詰められず、28周目のラップでは0.5秒ほどしか上回ることができなかった。ここでようやくアロンソがピットへ向かい、ハードに交換してルクレールの後方7番手でコースに合流する。レースが折り返しに近づき、マックス・フェルスタッペンは8秒差でサインツをリードしているが、マックス・フェルスタッペンはハードタイヤのグリップ低下が始まったことを無線で訴える。10周若いタイヤを履くサインツは37周目にマックス・フェルスタッペンとのギャップを7.4秒に縮め、ハミルトンはサインツまで10秒、ラッセルから9秒の3番手をキープ。後方ではアロンソが6番手ルクレールに迫っており、リアエンドのグリップがないと無線で訴えるルクレールは5番手オコンとの差を詰められない。ルクレールは41周目にピットへ入ったが、左リアの交換に手間取り、ダニエル・リカルド(マクラーレン)の後方12番手でコースに戻った。マックス・フェルスタッペンは43周目に2回目のピットストップを行い、申し分のない作業を経てまたもハードに履き替え、ハミルトンの背後でコースに合流する。44周目、フェルスタッペンはほどなくハミルトンをかわし、9.8秒前方を走るサインツへの追撃を開始する。新品タイヤに履き替えたルクレールも集団の中でポジションを上げ始め、49周目には8番手まで浮上。ところが、49周目にピットアウトしたばかりの角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)がターン2でコントロールを失い、そのままバリアに突っ込んでしまう。これでセーフティカー導入となり、これに乗じてサインツは2回目のピットストップを行う。マックス・フェルスタッペンはセーフティカー中に再び首位に立ち、サインツもすぐマック...
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