レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンは、F1サヒールGPの予選でポールポジションのバルテリ・ボッタス(メルセデス)から0.056秒という僅差でポールポジションを逃した。決勝でメルセデス勢のどちらかを喰うには、タイヤが異なるスタートで先行できるかが鍵となる。パワーセンシティブなバーレーンのアウタートラックでメルセデス勢に迫ることができたのはポジティブな結果だと言うこともできるが、結果として負けであり、チャンスを掴むことはできなかった。
それでも、わずか0.056秒のバルテリ・ボッタスとの間にジョージ・ラッセルが入ってくれたことは幸運かもしれない。先週末のF1バーレーンGPで偶数列な大きく不利なことが証明されているからだ。フロントローのメルセデス勢がミディアムタイヤでスタートするのに対し、マックス・フェルスタッペンは瞬発力のあるソフトでのスタートとなる。第14戦トルコGPで露呈されたようにレッドブル・ホンダF1にとってスタートは弱点ではあるが、なんとかメルセデス勢に割って入る、理想を言えばトップに立つしか勝機は見い出せないだろう。今回もアレクサンダー・アルボンはトップ4には入れず、12番手というはるか後方にいる。そのため、ピット戦略ではいつもように駒を失っている状態。序盤に1-2体制に持ち込まれれば、2番手のマシンに抑えられ、さらにアンダーカット、オーバーカットと多彩な選択肢をメルセデスに提供することになる。だが、Q3をミディアムで通過できなかったことも懸念材料ではある。約0.3秒のパフォーマンス差があるとされるミディアムとソフトで、バルテリ・ボッタスが53秒803、ジョージ・ラッセルが53秒819だったの対し、マックス・フェルスタッペンはミディアムで54秒006とノックアウトゾーンに入り、ソフトでアタックせざるを得なかった。メルセデスが第1スティントをミディアムで伸ばして再度にソフトで戦ってくるのに対し、レッドブルはその逆となってくるため、例え前に出ていたとしても、最後にメルセデスからの猛攻を受けることになるだろう。オーバーテイクができるかどうかは意見が分かれるが、初日のフリー走行でマックス・フェルスタッペンは明確な速度差があるエステバン・オコン(ルノー)を抜くことができなかった。そのため、1ストップレースとなり、先行を許していた場合は勝機はない。「失うものはない」と語るマックス・フェルスタッペンは、前戦F1バーレーンGPでメルセデス勢にアンダカットを仕掛けなかったチーム戦略に不満を述べていた。今大会ではそれほど多彩な戦略が生み出せるかどうかはわからないが、スタートで先行できたとしても、大幅なリードを築けない限りは、大胆な戦略を採らなければメルセデス勢を喰うのは難しいかもしれない。