レッドブル・ホンダF1は、F1ハンガリーGPの予選でメルセデスだけでなく、レーシング・ポイントに2番目に最速のチームを明け渡す屈辱をQ2セッションで味わった。開幕2戦でのパフォーマンス不足により、レッドブル・ホンダF1は取得したデータからRB16の改善できる部分を絞り込み、アップデートを調整してきた。
第3戦の舞台であるハンガロリンクは、ストレート主体だったレッドブル・リンクとは異なり、低速コーナーを短いストレートでつなげたレイアウト。昨年、マックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得していることもあり、メルセデスF1に対して反撃の狼煙をあげる週末になることが期待されていた。しかし、初日のフリー走行でレッドブル・ホンダ RB16の調整が悪い方向に出ていることが明らかになる。伝統のハイレーキコンセプトを進化させた空力マシンとして生み出された。だが、逆にレッドブルのF1マシンの特徴だったピーキーな特性が顔を出し、突然リアのコントロールを失ってスピンを喫するシーンが目立った。マックス・フェルスタッペンは“バランスがとれていない”、アレクサンダー・アルボンは“予測不可能”と称し、フェルスタッペンは2台のメルセデスよりも1.4秒遅く、2台のレーシング・ポイント、ルノーの1台とフェラーリの2台の後塵を拝した。レッドブル・ホンダF1は、金曜日の夜にカーフュー(夜間外出禁止令)を破ってRB16のセッティングを調整。しかし、症状が改善されていないことが土曜日にすぐに明らかになる。FP3でマックス・フェルスタッペンはターン12で突如スピン。アンダーステアが出て、パワーをかけられないという状態が継続している。Q1でフェルスタッペン8番手、アルボン11番手迎えた予選。Q1は、まずメルセデスF1のバルテリ・ボッタスが1分15秒484でベンチマークを記録し、ハミルトンに0.1秒差を付ける展開となる。マックス・フェルスタッペンのファーストアタックは6位となる1分16秒136で、アレクサンダー・アルボンのファーストアタックは10位となる1分16秒683だった。ルイス・ハミルトンはセカンドランで1分15秒420をマークし、ボッタスを0.06秒上回ることに成功。ボッタスに続く3位にはハミルトンから0.3秒遅れでレーシング・ポイントのランス・ストロールが続き、ストロールの後方には4位にストロールのチームメイト、セルジオ・ペレス、5位にシャルル・ルクレール、6位にフェルスタッペンが続いた。アルボンも1分16秒428とタイムを伸ばすが、他のドライバーたちもタイムを伸ばしたため、11位に後退。ダニエル・リカルド(ルノー)が1分16秒111をマークしたことでフェルスタッペンも7位に後退する。残り3分、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が1分15秒585をマークして一気に3位へジャンプアップし、アルボンがノックアウト圏内へ。ラッセルのこのラップは他のチームを刺激することになり、ドライバーたちが次々とアタックを開始。ファイナルランでアルボンは11位、フェルスタッペンは8位のタイムをマークして無事Q2へ駒を進めた。レーシング・ポイントにお株を奪われる屈辱のQ2そして、Q2で屈辱を味わうことになる。メルセデスとレーシング・ポイントは決勝を見据えてミディアムタイヤでアタックを開始。タイヤが余っていたルノーもそれに続いたが、レッドブル・ホンダF1はソフトタイヤでコースに出る。ミディアムでは戦えなかったのだ。本来ならレッドブル・ホンダF1がやっているはずのことをレーシング・ポイントがやっている。すでにこの時点で2番手に最速マシンという座はレーシング・ポイントに奪われた。Q2ではルイス・ハミルトンが1分14秒261をマークしてタイムシートのトップに立つ。ボッタスが約0.3秒遅れで続き、3位にはソフトタイヤのベッテル、4位にはRB16のハンドリングに不満を感じていたものの、ベッテルから0.017秒遅れでマックス・フェルスタッペンが続いた。ファイナルランでメルセデス勢がソフトタイヤに履き替えたが、後続から特にプッシュされていなかったため、余裕のドライビングを見せた。レーシング・ポイント勢は2セット目もミディアムタイヤを選択。ノリスが暫定3位のタイムを記録し、さらにはルクレールも一気にタイムを伸ばしてきたため、戦略ミスかと思われたが、ストロールとペレスは無事にQ2突破を決めた。アレクサンダー・アルボンはファイナルアタックもタイムが伸びず、エンジントラブルに見舞われていた上位のピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)を上回ることができずにここでノックアウト。無線でトラフィックに捕まった不満をチームにぶつけた。一方、マックス・フェルスタッペンはファイナルランを最大限活用し、メルセデス勢に続く3位でQ3へ駒を進めた。4位にはルクレール、5位にはノリス、6位にベッテルが続いた。そしてさらに前述のストロールが7位、サインツが8位、ペレスが9位で続いた。トラブルを訴えていたガスリーも10位で突破した。新品タイヤ切れでゲームオーバーQ3はいきなりハミルトンが圧倒的な速さを見せてトラックレコードを更新する1分13秒613をマーク。2位ボッタスと3位ストロールに0.3秒差をつける。一方、フェルスタッペンはファーストアタックで1分14秒849をマークして4位につけ、5位にはノリス、6位にサインツ、7位・8位にフェラーリ勢、9位にペレスが続いた。ガスリーはエンジントラブルが原因でコース上にマシンを出さなかった。絶好調のハミルトンはファイナルランでさらにタイムを伸ばし、1分13秒447をマークしてミハエル・シューマッハに並ぶハンガロリンク通算7回目のポールを獲得した。ボッタスも最後に追い上げ、0.1秒差の2位で予選をフィニッシュした。メルセデス勢に続く3位にはストロールが入り、2017シーズンのイタリアGPで記録した2番グリッド(予選タイムは4位)に続く好成績となる3番グリッドを獲得した。4位にはストロールから0.168秒遅れでペレスが入った。5位にベッテル、6位にルクレールが入り、サードローはフェラーリ勢が独占した。Q3に入ってもマシンからパーフェクトなフィーリングを得られなかったマックス・フェルスタッペンは、1回目のランですでに新品のソフトタイヤを使い果たし、「これでおしまい」と語っていた。それでもファイナルランをユーズドタイヤで出ていくが、タイムを伸ばせず7位でフィニッシュ。決勝は8位でフィニッシュしたノリスと並んで4列目からスタートすることになった。伝統的にハンガロリンクは“壁のな...
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