レッドブル・レーシングは、F1カナダGPでダニエル・リカルドのエンジンペナルティを回避する方向で対策を進めている。前戦F1モナコGPで優勝したダニエル・リカルドだが、レース中にMGU-Kの故障に見舞われてパワーを大幅に失った状態での厳しい戦いを強いられた。ダニエル・リカルドは、第3戦中国GPでパワーユニットの全てのコンポーネントを2基目に交換しており、MGU-Kを3基目にしなければならない場合は10グリッド降格ペナルティを受けることになる
レッドブル・レーシングの最高技術責任者を務めるエリドリアン・ニューウェイは、カナダGPでは3基目のMGU-Kを使用することは避けられないだろうと語っていた。しかし、レッドブル・レーシングは、開幕2戦で使用していた1基目のMGU-Kを再利用する方向で作業を進めており、それが実現した場合はグリッド降格ペナルティは回避できることになる。カナダでグリッド降格ペナルティの可能性について質問されたダニエル・リカルドは「現時点ではノーだ。ペナルティはないと言われている」とコメント。「明日のプラクティスで何かが起こり、変更しなければならない場合はペナルティを受けることになるだろう。でも、今のところは走行するためのパーツは十分にあるし、信頼性を保つことができれば、週末全体を走り切れると思う」レッドブルのチーフカーエンジニアを務めるポール・モナガンは「中国でトラブルを起こしたものはまだ生きている。だからペナルティは受けなかった。週末を始めるにあたっては大丈夫なことを祈り、魔よけのおまじないをしよう。こればかりは様子を見るしかない」と語った。だが、ダニエル・リカルドは、いずれにしろシーズン後半に3基目のMGU-Kを使用してグリッドペナルティを科せられることになると考えており、それは2週間後のフランスGPになるかもしれないと認める。「そうだね、ポール・リカールという早い段階でそうなるかもしれない」とダニエル・リカルドはコメント。「ここでペナルティの可能性があると囁かれたとき、その時点で僕はここではなくポール・リカールで受けるつもりだと言った」「ここはオーバーテイクがかなり難しいサーキットだし、もちろん、現時点ではそのような勢いがあるのは明らかだ。ペナルティは僕たちの帆から風を取り除いてしまうだろう」「今週末、ペナルティを回避できるなら、他の場所で受けるつもりだ」ダニエル・リカルドは、決定には1基目のMGU-Kの寿命を可能な限り延ばす必要があること、そして、レッドブルはカナダで競争力があるという期待という戦略的な要素があったと付け加えた。実際、レッドブル・レーシングはモナコでハイパーソフトで強さを見せており、カナダでも同じハイパーソフトが配分されていることもその決定に影響を与えたという。「僕たちはできる限り長くペナルティを遅らせられるよう試みていく。ペナルティを受けたとしても、シーズン終了前にまた別のペナルティを科せられるリスクは増えるからね」とダニエル・リカルドはコメント。「でも、モナコで僕たちはハイパーソフトで良かったし、今週末も力強いレースをするチャンスがあるかもしれない」「理論的にこのサーキットは今後の他のいくつかのサーキットよりも僕たちに適していると感じている。2連勝できれば素晴らしいだろうし、僕たちはそれを目指していく。15番手からスタートする可能性は低い」2018年はドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基に削減されている。パワーユニットを構成する6つのコンポーネントのどれかひとつが制限を超えた時点で10グリッド降格ペナルティが課せられ、2つ目以降のコンポーネントは5グリッド降格となる。関連:2018年 F1カナダGP テレビ放送時間&タイムスケジュール
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