ピレリが、2019年のF1世界選手権 第17戦 日本GP 決勝でのタイヤ戦略を振り返った。メルセデスのバルテリ・ボッタスが、ソフト – ミディアム – ソフトと繋ぐ2ストップ戦略で日本グランプリを制した。台風19号の接近を受けて、土曜日のセッションが中止となったことから、サーキットは極めて予測が難しい路面状態となっていた。
土曜日の豪雨によってラバーが洗い流された上、FP3が中止になり、予選は日曜日の午前に行われました。そのような状況下、メルセデスのルイス・ハミルトンが、2005年にキミ・ライコネンによって記録された鈴鹿のレースラップレコードを更新した。キーポイント・53周で争われるレースの最速戦略は、ソフトタイヤでスタート後、24-27周でミディアムへ交換する1ストップ戦略と予測されていた。2番目に速い戦略は、ソフトでスタート後、13周でミディアムへ、33周でミディアムへ交換する2ストッパーだった。3番目に速い戦略は、ソフトでスタート後、20-23周でハードへ交換する1ストップ戦略だった。・高い気温の影響を受け、フリー走行でのデグラデーションレートは予測よりも高いものだった。したがって、大半のドライバーが2ストップ戦略を採った。・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、予選において鈴鹿のトラックレコードを更新した一方、ルイス・ハミルトンがレースのファステストラップレコードを14年ぶりに更新した。・フェラーリとメルセデスが異なる戦略を採るなど、終始緊迫した戦略的な闘いが展開された。・フェラーリのシャルル・ルクレールは、ただ一人の3ストッパーだった。ルクレールは、序盤のノーズ変更によって後退後、6位に入賞する追い上げを見せた。・レッドブルのアレックス・アルボンは、キャリアベストの4位を獲得した。また、メルセデスは、6年連続となるコンストラクターズチャンピオンシップを獲得した。・マクラーレンのカルロス・サインツは、ソフト – ミディアムと繋ぐ1ストッパー中の最上位となる5位でフィニッシュした。多くのドライバーが同じ戦略を採用した。・路面温度39℃、気温26℃前後のドライコンディションの下でレースが行われた。各コンパウンドのパフォーマンス・ハード C1: 7名のドライバーが使用し、その内の2名が1ストッパーだった。金曜日に十分な走行機会が無かったにもかかわらず、ロングスティントで使用された。・ミディアム C2: ハースのロマン・グロージャン以外の全ドライバーが使用しました。ミディアムは、1ストッパーおよび2ストッパーの双方で良く機能していた。・ソフト C3: トップ4中の3名が、ソフト – ミディアム – ソフトと繋ぐ戦略を採り、ベッテルのみが、ソフト – ソフト – ミディアムと繋ぎました。高温のコンディションの影響を受け、ソフトのデグラデーションレートは事前予測よりも高くなった。マリオ・イゾラ (ピレリ カーレーシング責任者)「路面のラバーを洗い流した昨日の台風によってスケジュールが変更になった上、各チームは、高温のコンディション下で数多くの不確定要素を抱えたまま、今日一日で行われることになった予選と決勝に臨まなければなりませんでした。レース中に戦略を構築することが課題となり、ライバルの戦略に対応しつつ、1ストップから3ストップまで広範囲に渡る戦略が見られました。全3種類のスリックコンパウンドが使用され、トップ6で4種類の異なる戦略が展開されました。2位争いでは戦略的な闘いが見られ、予選と決勝双方でラップレコードが更新されました。今年もコンストラクターズチャンピオンシップを獲得したメルセデスを讃えたいと思います」
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