ピレリが、F1オーストリアグランプリの決勝レースを振り返った。ポールポジションからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが、ファイナルラップまで展開されたチームメイトのニコ・ロズベルグとの闘いを制し、2ストップ戦略でオーストラリアグランプリの優勝を手にした。
ニコ・ロズベルグは、1回目のピットストップタイミングで、タイヤ戦略を活用する「アンダーカット」によって、ハミルトンを含めた数名を抜き、首位に立つことに成功したが、終始ハミルトンの猛追を受け、ファイナルラップでハミルトンと接触した影響を受けて4位でフィニッシュした。昨日までのセッションと比較して冷涼なコンディションとなり、スタート時の気温は16℃、路面温度は24℃だった。タイヤの摩耗とデグラデーションは、この温度による影響を受けた。また、セーフティーカーの導入によって、トラックポジションを大きく失うことのない「フリー」ピットストップが可能となったことが、各チームの戦略に影響を及ぼした。フェラーリとレッドブルは、上位勢の中では少数派となるスーパーソフトでスタートした。他のトップ10ドライバーは、スーパーソフトよりもラップあたり約0.5秒速いウルトラソフトを装着してスタートを切った。フェラーリのセバスチャン・ベッテルが、長い第1スティントを走行中、タイヤトラブルに見舞われた。この問題の詳細については現在もフェラーリとともに調査中だが、ベッテルのマシンのみで発生した問題ということがわかっている。最終ピットストップを終えた後、メルセデスの両ドライバーとレッドブルのマックス・フェルスタッペンによる三つ巴の闘いが繰り広げられた。フェルスタッペンは、1ストップ戦略を使用していた。ロズベルグとハミルトンは、1秒以内の僅差でファイナルラップまで競い合い、シーズン中でも屈指の記憶に残るレースを盛り上げた。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「セバスチャン・ベッテルのマシンで発生した問題について、原因解明をすべく、フェラーリとともに全力で調査しています。タイヤ戦略がオーストリアグランプリの鍵となり、多彩な戦略が展開され、ファイナルラップまで終始接戦が見られました。各チームは、フリー走行と予選時の雨混じりの天候によって、情報不足のまま決勝に臨むこととなりました。その結果、各チームの戦略には、レースの進行状況から最大限のアドバンテージを引き出す迅速な判断が求められました」関連:【動画】 2016 F1オーストリアGP 決勝レース ハイライト
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