ピレリのモータースポーツダイレクターを務めるポール・ヘンベリーは、スピードはテレビではあまり伝わらないと考えており、新しいF1規約はクルマを速くするためではなく、オーバーテイクを改善するために役立つべきだと主張する。F1のテレビ視聴率の低下とファン離れに歯止めをかけるために、FIAは、F1ストラテジーグループととっもに2017年に大幅なレギュレーション変更を目指している。
しかし、ポール・ヘンベリーは、当初の空力変更を実現せずとも5秒のラップタイム向上は改善だと考えており、最も緊急な問題は他にあると感じている。「サーキットにいても、テレビで見ていても、いずれにしろスピードを見ることはできない」とポール・ヘンベリーは Crash.net にコメント。「みんなが見ることができるのは、オーバーテイクやバトルだ。それが実際に人々が必要としていることだ」「ラップタイムが5秒速いからといって、スポーツを見る人々が増えるとは思わない。彼らがもっと見ているのはイメージだ。フットボールの試合を見に行った場合、ジョン・モットソン(コメンテーター)が、リオネル・メッシがピッチで物凄いことをしていると伝える必要はない。みんなそれを見ているし、何が起きているか理解している。それはレースでも同じだ。オーバーテイクが見られれば、それについて話す解説者は必要ではない」「テレビのボリュームを下げてみてほしい。それがみんなが見ているイメージだ。人々がバーに行き、フットボールの試合を見ている。ボリュームは下げられており、刺激的かどうかを決めるのはスクリーンで見ているものだ。ラップタイム自体はスクリーンでは理解できない」F1の新しいレギュレーションはまだ承認されていないが、エンジンメーカーは2020年までV6ターボパワーユニットを継続することと引き換えに、カスタマーへのパワーユニットの供給価格を下げることに合意している。また、今週のジュネーブでの会議では、チーム代表らが、ホイール・トゥ・ホイールのバトルに対してドライバーへ厳しいペナルティを控えるよう要求していることが明らかになっている。
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