ピレリが、F1ロシアグランプリの予選を振り返った。ロシアグランプリでは、メルセデスのニコ・ロズベルグが、P Zero レッド・スーパーソフトを使用してポールポジションを獲得した。スーパーソフトのスピードによって、ソフトタイヤで記録された昨年のポールタイムは、Q2序盤の時点ですでに更新されていた。
全てのフリー走行セッションで十分な走行ができなかったため、各チームは、タイヤの摩耗とデグラデーションに関する情報が最小限の状態で予選へ臨んだ。したがって、レース戦略についての疑問点は抱えたままとなっている。金曜日午後の雨によって、路面に乗ったラバーが洗い流されたこともあり、ソチのトラックは滑りやすくグリップレベルが低くなっている。セバスチャン・ベッテルとフェリペ・ナッセは、スーパーソフトでの走行を行えないままQ1へと向かった。気温と路面温度は終日低くなり、滑りやすい路面上でタイヤに十分な熱を入れることが最大の課題のひとつだった。ラップタイムが示す通り、大半のドライバーたちは、この課題を克服していた。メルセデスの両ドライバーのみがQ1をソフトコンパウンドだけで突破し、ロズベルグがトップとなりハミルトンが3番手のタイムを記録した。Q2以降、全ドライバーが、ソフトよりもラップあたり約1.1秒速いスーパーソフトのみを使用した。メルセデスは、スーパーソフトのウォームアップと性能を最大限に生かし、Q2でも最速のチームとなった。ニコ・ロズベルグは、路面の改善が進んだQ3での最終ランでポールタイムを記録。ルイス・ハミルトンが2番グリッド、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスが3番グリッドを獲得した。午前中に行われた最終フリー走行は、トロ・ロッソのカルロス・サインツの事故によって、残り20分時点で赤旗による終了となった。セッション終了時点で、ニコ・ロズベルグがスーパソフトで最速タイムを記録していた。バリアの補修のためにGP3の決勝が中止を余儀なくされた。この点も、予選開始前の路面上のラバー状態を限定する一因となった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「午前中にクラッシュしたカルロス・サインツが無事だったことが何よりも優先して重要なことでした。昨日と今日のフリー走行セッションでの走行が限定されたことで、明らかに全チームが不利な状況下で予選に臨みました。決勝についても同様で、ロシアでのスーパーソフトの使用が初めてということもあり、最適なレース戦略について多くの不確定要素がある状態です」関連:F1ロシアGP 予選:ニコ・ロズベルグが2戦連続でポールポジション