ピレリが、F1スペインGPの決勝レースを振り返った。バルセロナは、シーズン中でタイヤに最も厳しいトラックのひとつとして知られているが、決勝の上位10名中8名のドライバーが、66周で争われたグランプリをわずか2ストップで完走した。昨年のバルセロナでの優勝ドライバーは4ストップであったことを見れば、今回の結果は、今シーズンのピレリF1タイヤに投入された改善と耐久性の向上を物語っている。今シーズンの改善は、性能面を損なうことなく、摩耗およびデグラデーションレベルの低下とトラック上のマーブルの減少に繋がっている。
タイヤ戦略がスペイングランプリの効果的な手段となり、メルセデスのルイス・ハミルトンは、4連勝を達成しドライバーズ選手権の首位に立った。ハミルトンは、ポールポジションのスタートからミディアム〜ミディアム〜ハードと繋ぐ戦略を採り、チームメイトのニコ・ロズベルグをわずか0.6秒差で破った。ロズベルグは、ミディアム〜ハード〜ミディアムと繋ぐ戦略を採った。レース終盤、ロズベルグがハミルトンよりフレッシュで速いタイヤを使用できるアドバンテージを得たため、この2つの戦略がスリリングなホイールトゥーホイールのバトルを決定付けた。レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、15番グリッドからのスタートながら、レースの大半を速いミディアムタイヤで走行する3ストップ戦略を採り、ファステストラップを記録するとともに4位でフィニッシュした。ベッテルは、レース終盤に大きく順位を上げることに成功した。今シーズン2回目のインシーズンテストが、スペイングランプリ後の火曜日から2日間に渡って開催される。テスト1日目にザウバーとトロロッソが、2日目にフォース・インディアとマクラーレンが、ピレリとともに2015年型タイヤのテストを行う。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「多くのドライバーが異なる戦略を採っていたにも関わらず、レース終盤、トップ10圏内で非常にエキサイティングな複数のバトルが見られました。これは、今シーズン全てのレースにおいて、ピットストップの回数のみならずタイヤの使用順序が差を生じさせる戦略の重要性を強調するものです。夜間に雨が降り、今日の気温と路面温度が低下したため、ハードとミディアム間の性能差が短縮され、戦略の方程式に新たな要素が加わりました。バルセロナは、シーズン中で最も厳しいサーキットのひとつですが、大半のドライバーがわずか2ストップで完走した事実が証明する通り、摩耗とデグラデーションはコントロールの範囲内でした。これは、我々のミラノとイズミットのチーム全員による昨年からのハードワークの賜物です。あらためてチーム全員に感謝したいと思います。これから、2015年型タイヤを開発する今シーズン2回目のインシーズンテストに臨みます」関連::F1スペインGP 結果:ルイス・ハミルトンが4連勝
全文を読む