ピレリが、F1中国GP初日のフリー走行を振り返った。冷涼なコンディションとなった金曜日のフリー走行、雨の可能性がある明日の予選など、中国グランプリのレース週末は天候がタイヤ動作に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。午前中に行われたフリー走行1回目(FP1)では、気温が13℃まで低下し、やや暖かくなった午後のフリー走行2回目(FP2)では、気温15℃というコンディションだった。
このため、ドライバーたちは、タイヤのベストな性能を引き出し、グレイニングを防止すべく、適切なタイヤのウォームアップを確実に行う必要があった。コンパウンドをウォームアップするために、ドライバーたちは、アウトラップ中に徐々にタイヤに熱を入れていかなければならない。その結果、コンパウンドは路面を掴むグリップを生成する。グレイニングは、タイヤが十分なグリップを供給することなくスライドする際に発生し、トレッド表面に波上の摩耗を生成する。フリー走行中にグレイニングが発生したドライバーも見られましたが、その発生は想定の範囲内のレベルだった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「今日の両コンパウンド間の性能差は、非常に大きなものでした。チームによって差はありますが、ラップあたり1.4〜1.8秒の性能差が見られました。シーズン中の今後のレースで予想される気温よりも大幅に低い気温となったため、今回は極めて例外的な状況と言えます。また、明日は雨の可能性もあり、今週末を通して天候が明らかに大きな要素となるでしょう。グレイニングの発生が見られましたが、この状況下では想定の範囲を超えるものではありません。今晩、全てのデータを分析しますが、これまでのところ、ソフトタイヤでは約20周、ミディアムタイヤでは約25周の走行が可能と見ています。ミディアムタイヤのデグラデーションは、ソフトタイヤのデグラデーションの半分ほどです。すなわち、ソフトタイヤがレース中のラップあたり約0.3秒ずつ遅くなる一方、ミディアムタイヤはラップあたり約0.15秒ずつ遅くなります。ここまで見た限り、日曜日の決勝では2〜3回のピットストップとなるでしょう」