ピレリが、F1日本GPが開催される鈴鹿サーキットをタイヤメーカーの観点から解説した。ピレリは、F1日本GPにPZeroホワイト・ミディアムとPZeroイエロー・ソフトの両コンパウンドを投入する。これは、高速コーナーを特色とする二つのサーキット、スパやモンツァと同じ組み合わせとなる。鈴鹿サーキットは、多様なコーナーと幅広い速度域をカバーする守備範囲の広いタイヤが不可欠となる。
ソフトとミディアムの両コンパウンドは、グリップ性能と耐久性の最適なバランスを確立するとともに、興味深いピットストップ戦略を生み出す可能性がある。ここ数戦、ドライ・コンディションのレースが続いているが、今週は、PZeroブルー・インターミディエイト・タイヤとPZeroオレンジ・ウエット・タイヤ登場の機会があるかもしれない。なぜなら、F1日本GPは雨に演出されることも多いためだ。また、過去2年、セーフティカーが出動している。そうなればタイヤ戦略にも大きな影響を及ぼすはずだ。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「日本においては大きな災難があった年ですが、ドライバーなら誰もが大好きなサーキットである鈴鹿で日本GPが開催され、私たちの日本へのサポートをお見せできることを非常に嬉しく思っています。鈴鹿では、トラクション、ブレーキング、そしてコーナリングにおいて、いかに最大限のグリップを路面に効率的に伝えられるかが最大の鍵となります。高い速度域でハイダウンフォースのセットアップで走るため、タイヤを路面に押しつける力が強く働き、タイヤには大きなエネルギーや横方向の負荷がかかります。したがって、ドライバーにとってはタイヤマネージメントが非常に重要になります。私たちは、今週末、ここ鈴鹿において、PZeroタイヤを装着した初めてのワールドチャンピオン誕生の瞬間を迎えることになりそうです。今回の日本GPは、私たちの歴史に刻まれることになるでしょう。ソフト・タイヤとミディアム・タイヤの組み合わせは、デグラデーションのレベルに大きな差はないながらも、これまでに何度も接戦を演出してきました。記憶に残るレースに向けて、全てのピースは揃ったと言えるでしょう」