2009年から導入されるKERSだが、いくつかのチームは、KERSを搭載せずにシーズンを終える可能性がある。報じられているところでは、KERSの開発が予定通りに進んでいるのは、BMWザウバーとマクラーレンだけだという。フェラーリは、技術パートナーであるマニエッティ・マレリとの共同プロジェクトに大きな問題を抱えており、KERSのトラックテストを実施していない。プジョーと協力して別のKERS開発プロジェクトを平行して進める可能性も取り沙汰されている。
フェラーリの会長であるルカ・ディ・モンテゼーモロは、乗用車に応用できないとしてこの装置を「間違い」であると批判。フェラーリのエンジン技術部門のジル・シモンズは「2月の終わりには、KERSを搭載するかしないかを決定しなければならない」と語っている。ルノーとトヨタもマニエッティ・マレリとともにKERSを開発しているといわれており、まだKERSのトラックテストを行っていない。トヨタは、昨シーズンの終わりに、2009年の開幕からKERSを搭載する可能性は低いことを認めている。また、コスト削減対策としてシーズン中のテストが禁止となったため、開幕度にKERSシステムを導入するのは困難な状況となった。フェラーリのKERSシステムを搭載するトロ・ロッソ、ルノーのKERSシステムを搭載するレッドブルは、必然的にパートナーの開発に左右されることになる。ウィリアムズは、独自でKERSを開発しており、フライホイール式KERSを導入する。しかし、そのウィリアムズでさえ、予期せぬ問題に直面しているという。FOTAは、KERS導入を遅らせようと幾度もチャレンジしているが、合意には至っていない。KERSの導入に大きな期待を寄せているBMWザウバーが、延期に反対しているといわれている。しかし、FOTAは、2010年以降に共通のKERSシステムを使用することを検討している。そうなると、2009年のためだけに独自にKERSを開発するメリットはない。またFIAのマックス・モズレー会長は、FOTAへ向けた手紙の中で、バッテリー式のKERSシステムの開発に懸念を示している。「我々は、今後F1にますます化学薬品が使用されることに懸念を示している。特に現在利用可能なバッテリは持続不可能なので、F1では禁止すべきだという見解である」関連:KERS
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