マクラーレンのオスカー・ピアストリは、F1メキシコGP決勝を5位で終えたが、チームメイトのランド・ノリスとの差に困惑を隠さなかった。2戦連続で明確なペース不足に直面しており、チャンピオンシップ首位の座もノリスに譲る形となった。ピアストリは決勝でノリスより1回多いピットストップを行い、最終的にトップから42秒遅れのフィニッシュ。予選でも約0.6秒の差をつけられ、これは昨年の同GP以来最大のギャップだった。
「この2戦のペースは本当に驚きだった」とピアストリはF1公式チャンネルに語った。「どこに原因があるのか、そしてどうすべきかという手がかりはあると思うけど、ここ2週末はこれまでとまったく違う運転の仕方をしなければならなかった。これまで18戦ずっと上手く機能していたスタイルを急に変えるのは、正直かなり難しい」「今日は何点か試したことがあるけど、それが求めていたものだったのかどうか、これから確認するよ」と付け加えた。ノリス「スイートスポットを見つければ速さはある」一方、優勝したランド・ノリスは、マシンのパフォーマンスを高く評価しながらも「扱いづらさ」も認めた。「このマシンはシーズンを通してずっと速い。でも時々かなり扱いづらい部分もあるんだ」とノリスは語った。「ただ、一度スイートスポットを見つけると、本当に速くて、すべてが楽になる。今日はそれを完璧に掴むことができた」アンドレア・ステラ代表「低グリップがピアストリに不利に働いた」マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、ピアストリが苦戦した背景について、メキシコ特有の路面コンディションに言及した。「このサーキットの低グリップ特性が、ピアストリには難しかった」とステラは土曜の時点で語っていた。「彼は依然として素晴らしいポテンシャルを持っているが、グリップが低い状況ではクルマの挙動を掴みづらく、セットアップの限界を感じていた」ピアストリが抱える“順応力の壁”メキシコGPでは、標高2200m超の薄い空気による低グリップと冷却制約が、マシン挙動に大きな影響を及ぼした。マクラーレンはこの特性を上手く活かし、ノリスは完璧に対応。一方でピアストリはタイヤ温度とバランスの維持に苦戦し、ステアリング入力やブレーキングスタイルを変えざるを得なかった。今季18戦で見せてきた安定したドライビングスタイルを崩す必要に迫られたことが、彼のリズムを乱した要因といえる。チャンピオン争いのプレッシャーが増す中、ブラジルGPでは再び「自然な走り」を取り戻せるかが焦点となる。