オスカー・ピアストリは、イタリアGPでランド・ノリスに2位を譲るチームオーダーを受け入れたことで、選手権リードを拡大する機会を失った。オーストラリア人のピアストリは、週末を34ポイントのアドバンテージを持って迎えたが、プラクティスではトップ争いに加わるのに苦戦し、出遅れる形となった。予選ではノリスの後ろの3位を獲得し、決勝でもほとんどの時間を3位で走行。高速モンツァを走りながらタイヤマネジメントに集中していた。
しかし、ノリスのピットストップが痛恨の遅れ(5.9秒)となり、先にピットに入っていたピアストリが思わぬ形で2位に浮上。だがこれは長く続かず、すぐにポジションを返すよう指示を受けた。ピアストリは「遅いピットストップもレースの一部?」と皮肉を口にしたとピアストリは語った。レース後にこの判断について問われると、ピアストリは「スワップには明確に妥当な理由があった。ランドは予選で僕より前にいて、レースでもずっと前を走っていたからね。その点は理解している。ただ、いくつか話し合わなければならないことはある」と振り返った。長いミディアムタイヤのスティントを経て、チームはノリスに「先に入るか後に入るか」を尋ねた。ノリスは「アンダーカットされなければ後でいい」と答えたが、実際には遅いピット作業が発生し、ピアストリが先行する展開となった。ピアストリは「僕たちはスティントをすごく引っ張っていたから、ソフトが良い選択肢に思えたんだ。セーフティカーが出ればそれを待つつもりだったけど、最終的にマックス(フェルスタッペン)が僕たちのピットウィンドウに戻ってきてしまったから、もうそれ以上は引っ張る意味がなくなった。最後はちょっとした“inchident”があったね!」と付け加えた。この結果、ピアストリのチャンピオンシップリードは31ポイントに縮まり、残り9戦で初タイトル獲得を目指す戦いは一層タフなものとなった。ピアストリは「今日はチームとして素晴らしいペースがあったわけではなかった。レースの前半はバランスにかなり苦しんで、でもミディアムのスティント終盤になるとすごく良くなって、ペースも本当に強力だった。だから良い学びはあったよ。オープニングラップか2ラップはあまり良くなかったけど、それが大きな影響を及ぼしたわけでもない。文句を言うほどじゃない」と総括した。