2025年F1サンパウロGPスプリントで、オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)は1周目のリヤム・ローソン(レーシングブルズ)との接触を巡り、スチュワードから5秒加算ペナルティとスーパーライセンスのペナルティポイント1点を科された。スタート直後、インテルラゴスのターン4に向かうストレートで、ベアマンはローソンをグラスへと押しやる形となり、続く左コーナーで両者はサイド・バイ・サイドの状態に。ベアマンはコーナー進入で接触し、自身がスピンを喫した。
スチュワードは審議の結果、ベアマンに危険なドライビングがあったと認定した。「ターン3の立ち上がりで87号車(ベアマン)は勢いを失い、30号車(ローソン)がより高いスピードで並びかけようとしていた。87号車は左へ寄せ、30号車に十分なスペースを残さず、結果として2輪を濡れた芝生上に追いやった」と説明している。さらに、「この動きは高速域で発生し、不要なリスクを生じさせた」とし、国際競技規約附則L章第IV項第2条e)に違反する「潜在的に危険な運転」と判断された。ただし実際の接触はなく、ローソンがマシンを制御していた点を考慮し、「5秒加算とペナルティポイント1点が適切で一貫した処分」と結論づけた。今回の裁定により、ベアマンの累積ポイントは9点となり、出場停止ラインの12点まであと3点に迫った。幸い、メキシコシティGP後に過去の2点が消滅しており、次にポイントが消えるのは2026年5月となる。ルーキーシーズンは評価高まるも、ペナルティは懸念材料ベアマンはメキシコGPで4位入賞を果たすなど、ルーキーとして堅実なパフォーマンスを続けている。一方で、今回のような強引な防御が増えれば、今後の評価に影を落としかねない。ハースF1チームとしても若手育成の成功例として注目を集める中、ベアマンは2027年にルイス・ハミルトンの後任としてフェラーリ昇格の可能性が取り沙汰されている。しかし、スチュワードの指摘どおり「危険な動き」が繰り返されれば、その将来設計にも影響が及ぶリスクがある。経験を積むルーキーとして、今後は冷静さと判断力のバランスが問われるシーズン終盤となりそうだ。
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