MotoGP イタリアGPのフリープラクティスが行われ、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシが順調なペースを見せた。午前中の第1セッションではグリップ不足に悩まされ、午後からの第2セッションは様々なアクシデントもあったなかで、ふたりは着実に調子を上げそれぞれ2番手と7番手で初日を終了した。
マーベリック・ビニャーレスは第1セッションで転倒があったが、幸い怪我はなくアタックを継続。全18周中7ラップ目で自己ベストの1分47秒995を記録して3番手につけたあとは、マシンのセットアップに集中して4番手でセッションを終えた。トップとの差は0.742秒だった。第2セッションはレッドフラッグが2度振られる展開。そのなかでマーベリック・ビニャーレスは、セッション終了3分前に1分47秒122へ更新。ライバルたちもペースを上げたが、マーベリック・ビニャーレスはトップから0.387秒差で2番手をキープし初日を終えた。一方のバレンティーノ・ロッシは第1セッションで早々に3番手に浮上するが、気温の低さによってグリップ不足が生じ、それ以上のタイムアタックを取りやめて、セッティングに集中した。ベストタイムは1分48秒218で、トップから0.965秒差の8番手でセッションを終了した。地元ファンの前で上位浮上を目指すバレンティーノ・ロッシは、第2セッション開始直後から積極的にペースアップ。気温の上昇も手伝って一気に2番手に上がったが、セッション終盤ではアクシデントが続いたため勢いをそがれてしまう。タイムアタック中も思うようにクリアラップがとれず苦戦したが、1分47秒445まで更新しトップから0.710秒差の7番手を獲得。両セッションの総合順位も7番手となった。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは、第1セッションを慎重にスタートしたあと、第2セッション終盤で一気にペースを上げて総合4番手を獲得。チームメイトのハフィス・シャーリンも、MotoGPマシンで初めて走るムジェロ・サーキットで順調にペースを上げて、第2セッションでは第1セッションのタイムを1.704秒も更新して総合14番手につけた。ザルコに0.581秒差まで近づく大健闘だった。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合2番手/1分47秒122)「先週のカタルニアテストで自信を取り戻し、今日も非常に順調でした。第1セッションでは転倒してしまいましたが、それ以外はとてもよかったので気分は晴れ晴れとしています。マシンもタイヤも、とくに午後の気温が上がったなかでフィーリングが良くなりました。ペースも悪くなかったので、日曜日の決勝も期待しています。セッティングについてはテストのときと大きく変えていないのですが、とても順調に仕上がってきているので、この調子をキープしてベストを目指します。第2セッションではアクシデントが多かったため、連続10ラップの走行も不可能でした。ミケーレ(ピロ)の怪我が大事に至らないよう願っています」バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合7番手/1分47秒445)「ウイーク初日を順調に終えることができました。午前も午後もペースがよく、大きな問題もありませんでした。多くのマシン、多くのライダーがとても速かったのですが、私たちもその一員になれていたと思います。セッティングの作業も予定通りに進められていて、とくにペースは順調に上がってきています。ここからさらに向上させていくために、コーナー立ち上がりでのホイールスピンを解消していくことが明日以降の課題になるでしょう。ミケーレの無事を祈っています」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「アクシデントが重なり、難しいプラクティスとなってしまいました。第1セッションでは序盤でマーベリックが転倒。第2セッションはレッドフラッグが2回も出され、そのたびに作業を中断することになりました。しかし以前にここで行ったテストと、先週のカタルニアテストの成果のおかげで、ベースができ上がっていたことはよかったと思います。午前と午後で、ペースは大きく変わりませんでした。それによって自分たちの現在の立ち位置を十分に確認することができたと思っています。セッションのなかでは様々なセッティングとタイヤスペックを試し、ライダーたちも好感触をつかんでいるようですが、リアのグリップと電子制御システムの調整については、もう少し改善の余地が残っています。ミケーレ・ピロに激しい転倒がありました。皆が非常に心配しており、チーム全員でよい知らせと早い回復を待っています」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合4番手/1分47秒365)「ムジェロの初日はとても順調。第2セッション終盤でラップタイムを更新できたこともうれしいです。これまでの他のサーキットとはまったく違うタイプのコースですが、チームとともに、よい仕事ができていると思っています。様々な経験のなかから、このコースに合うライディングスタイルもわかってきているので、そこに向かってマシンをセットアップしていくことが必要。明日もこの調子をキープし、まずユーズドタイヤで最大限のペースを追求したあと、ニュータイヤに履き替えて予選に臨みます」ハフィス・シャーリン (フリー走行総合14番手/1分47秒946)「第2セッション最後の走りがとてもよく、大きく前進することができました。第1セッションのタイムと比較すると、2秒近い進歩です。第1セッションではナーバスになり過ぎていて、他のルーキー勢から大きく離されてしまいました。でも午後になると手ごたえをつかみ、チームとともに、あらゆることを試しながら自分のライディングも変えていきました。2台を乗り比べながら、少しずつセッティング変更と調整を行ううちに調子が上がっていったのです。明日もこの勢いをキープできるようがんばります。予選で自己ベストを目指し、モルビデリにしっかりついて行きたいと思います」
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