Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシはアメリカズGPで開幕以来、3戦連続で表彰台を獲得。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスは好調をキープして意気揚々と臨んだが、2周目に転倒して早々に戦列を離れることとなった。フロントローから好スタートを切ったロッシは、ダニ・・ペドロサ、マルク・マルケス(いずれもホンダ)に続く3番手で第1コーナーを通過。その後、数ラップは、ふたりを逃がさないように距離を測りながら慎重に走行を続けた。
5周目には第1コーナーでややはらみ、さらに第4コーナーではヨハン・ザルコと接触してコースを外れてしまったが、すぐに立て直して3番手をキープしたままコースに復帰。前方でトップの2台が競り合う間に、バレンティーノ・ロッシは少しずつ差を詰めてゆく。そして残り5ラップでペドロサのテールに追いつくと、さらに注意深く様子を窺ったあと、その2ラップ後の最終コーナーでついに2番手に浮上。その後もペースを緩めることなく全力でゴールを目指し、トップから3.069秒差の2位でチェッカー。序盤のコースアウトによって0.3秒のペナルティを課せられていたが、3位のペドロサにそれ以上の差をつけたため2位獲得が決定した。ロッシのチームメイトのマーベリック・ビニャーレスは、グリッド2番手から好スタートを切ったが、22台が集中して飛び込んだ第1コーナーで5番手に後退。すぐさまJ・ロレンソ(ドゥカティ)をパスして4番手に上がり、ロッシのテールを追って行った。しかし1ラップ後の第16コーナーで転倒。幸い怪我はなかったが、レースを続けることはできなかった。この結果、ロッシはシリーズポイントを合計56に伸ばしてランキングトップに浮上。ビニャーレスが6ポイント差で2位につけている。またコンストラクターズ・ランキングではヤマハが16ポイントのマージンをもってトップをキープ。Movistar Yamaha MotoGPも41ポイント差をつけてチーム・ランキングでトップを守っている。Monster Yamaha Tech3 Teamのヨハン・ザルコが、YZR-M1で3戦目のMotoGPレースで5位を獲得。グリッド2列目の真ん中から好スタートを切って前へ出ると、順調にリズムをつかんで、経験豊富なライダーたちを追って行った。5位でチェッカーを受けたザルコは、ライダー・ランキングで7位に浮上した。一方、チームメイトのジョナス・フォルガーはコンスタントに走り切って11位。次回、第4戦スペインGPではトップ10入りを目指す。チームはこのあと大西洋を越えてヨーロッパ大陸へ。第4戦は2週間後、スペインのヘレス・サーキットで開催される。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (2位)「僕もチームも、今日の結果には驚いています。冬季テストから第1戦、第2戦とニューマシンに手間取ってきたので、マシン・セッティングを理解し、乗りこなすまでにはもっと時間が必要だと思っていました。ところが今、マシンがとても良く走ってくれるようになったんです。とくに決勝で、タイヤを消耗したあとも絶好調が続きました。その結果、トップから大きく離されずにゴールできたし、このコースで最高の成績を獲得することができました。とってもうれしいですね! "ビニャーレス・アウト"のサインボードを見たときに、"僕がランキングトップだ"という気持ちが湧いてきました。しかも僕は好調で、前を行くダニ(ペドロサ)のほうが苦しそうだったので、"あと4ポイントが重要だ"と自分に言い聞かせ、結果はその通りになったんです。僕としては、ペナルティは正しくないと思っています。僕らはああするしかありませんでした。さもなければ非常に危険な場所でふたり一緒にクラッシュしていました。レース・ダイレクションの決定を尊重しますが、ミスをしたのはザルコのほうではないでしょうか」マーベリック・ビニャーレス (DNF)「奇妙なクラッシュだったんです。僕はウォームアップでも、これまでとまったく同じように走っていたのに転倒してしまいました。フロントタイヤに何かが起きたのだろうと思っていますが、いずれにしても、僕らには十分な強さと速さがあると思っています。必ず次も、いい戦いができると確信しているので、今日のことは忘れて、ヘレスではもっと速く、もっと強く、もっとコンスタントに走れるようがんばります」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「バレンティーノは素晴らしい走りで2位を獲得。好スタートから絶好のポジションにつけ、トップ2を追いながら終始、上位争いを展開しました。ザルコと接触したときにはコースを外れるほかに方法はなく、すぐにコースに復帰すると身体を伏せて全力で走りきり、0.3秒のペナルティも克服して最終的に2位を獲得しました。マーベリックは残念ながら、早々に戦線離脱してしまいました。彼のここまでの好調ぶりを考えれば、間違いなく勝利を目指すことができたはずです。すでにデータを確認しましたが、とくに問題は見つからず、金曜日以来と何も変わったところはありませんでした。フロントが予兆もなく失われ、彼はどうすることもできませんでした。それまでは何も問題なく、マシンを信頼し、自信を持って乗れていただけに非常に残念です。今日のことは忘れ、ポジティブに受け止めます。次のスペインでは、必ずまた好調を取り戻せると確信しています」Monster Yamaha Tech3 Teamヨハン・ザルコ (5位)「5位獲得はとてもうれしいです。最初の第1コーナー進入が非常に激しく、あそこでいいポジションにつけるのは難しかったんだけれど、マシンが絶好調で僕もよく乗れていたので、第3コーナーからアタックを開始しました。すると素早く何台か抜いて5位へ浮上。そのあとは何とかトップグループについて行こうと、懸命にプッシュしてバレンティーノの後ろの位置をキープしました。この経験は非常に素晴らしく、とくに第3コーナーでは僕のほうがスピードがあったので、ときにはかなり近くまで迫ることもできたんです。確かにタイト過ぎたかもしれないけれど、結果的に何事も起こらず、バレンティーノは2位を獲得することができて本当に良かったです。彼について行くことで、いろいろ学ぶことができると思っています。でも僕は決して、彼に悪さをしようとしたわけではないんです。だからふたりとも無事で安心しました。このあとはベストを尽くして走り続け、終盤ではクラッチローとバトルになったが、彼のほうがわずかに速く追いつけませんでした。それでも僕にとって5位は素晴らしい結果。表彰台も遠くはないと思います」ジョナス・フォルガー (11位)「非常に厳しいレースでした。ベストを尽くしたつもりだけれど、正直に...
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