MotoGP 第5戦 フランスGPが、5月18日(金)~20(日)の3日間、ル・マン・サーキットで開催される。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で55回目を迎えます。ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催された。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となり、今年で19年連続、ル・マンでは通算31度目の開催となる。
ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られている。このレースは、一部に一般道路を利用するサルテ・サーキットで行われる。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われる。ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見ものとなる。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになる。またこの時期のル・マンは雨が多く、過去11年を振り返れば、2007~09年の3年間と、2012年と13年は雨のレースとなり、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用された。過去4年はドライコンディションで行われたが、昨年も土曜日の予選はウエット/ドライとなり、今年も不安定な天候になる可能性は高く、選手やチームは集中力が要求される。過去2戦、アメリカズGPとスペインGPで2連勝を達成したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、3戦連続の表彰台と今季3勝目に挑む。ル・マンでは、MotoGPクラスにデビューした13年にポールポジション(PP)を獲得し、雨となった決勝では3位でフィニッシュした。14年には2年連続のPP(Moto2クラスから数えると3年連続)を獲得。オープニングラップでは、他車との接触を避けるために10番手までポジションを落としたが、そこからすばらしい追い上げをみせて優勝を果たした。15年はMotoGPクラスで3年連続(通算4年連続)となるPPを獲得するも、決勝ではタイヤの消耗に苦しんで4位。その雪辱に燃えた16年は予選で2番手、決勝では転倒再スタートという厳しい戦いとなり13位。昨年はタイヤとマシンのマッチングに苦しんで予選5番手、決勝は転倒リタイアに終わった。今年は大会制覇を成し遂げた14年以来、4年ぶりの優勝と表彰台獲得に挑む。前戦スペインGPでは、14年以来4年ぶりの優勝を達成し、2018年型RC213Vの仕上がりのよさを証明した。開幕戦から4戦、どのサーキットでも大きな進化を感じさせるRC213Vと、そのパフォーマンスをしっかり引き出すマルケスの走りは、ファンを魅了している。さらに、スペインGPの舞台となったヘレス、イタリアGPの舞台となるムジェロでテストを実施して、新型カウルのテストを中心にセットアップを進めた。今大会は、ニューパーツの投入にも注目が集まる。第2戦アルゼンチンGPで2年ぶりの優勝を果たしたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、今季2回目の表彰台と優勝に挑む。前戦スペインGPでは今季初のPPを獲得し、今季2勝目への期待が膨んだが、転倒リタイアと残念な結果に終わった。昨年のフランスGPでは予選4番手から決勝5位。今年は、マルケス同様、ウインターテストから好調で、転倒リタイアに終わったスペインGPの雪辱に燃えている。前戦スペインGPで今季2度目の転倒リタイアを喫したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。ホームグランプリでは残念な結果に終わったが、得意とするル・マンで、今季初の表彰台と優勝を目指す。昨年は、不安定な路面コンディションとなった予選で、タイヤの温度を上げることに苦労して13番グリッドという厳しい位置からのレースとなったが、すばらしい追い上げを見せて3位表彰台を獲得した。これまでル・マンでは、125ccクラスで1勝、250ccクラスで2勝、MotoGPクラスでは13年に優勝している。今年は今季初の表彰台と5年ぶりの大会制覇(通算5勝目)を目指す。MotoGPクラスに参戦するルーキー勢も調子を上げている。4戦を終えて3回のポイント獲得を果たし、前戦スペインGPでは今季ベストの9位でフィニッシュしたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、さらに上位を目指す。Moto2クラスに参戦していた昨年はル・マン初制覇を成し遂げた。同地では、MotoGPクラスで初となるレースに挑むモルビデリの2戦連続シングルフィニッシュに期待だ。第2戦アルゼンチンGPからアメリカズGP、スペインGPと3戦連続でポイントを獲得している中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、4戦連続ポイント獲得と初のシングルフィニッシュに挑む。フリー走行、予選では、セッションをこなすごとにRC213Vのパフォーマンスを引き出しているが、決勝では序盤にペースを上げられないというのが大きな課題となっている。それを克服できればシングルフィニッシュが確実なだけに、今大会はその対策に挑む。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、4戦を終えてノーポイントが続いているが、この数戦は確実にRC213Vの攻略が進んでいることを感じさせている。前戦スペインGPは転倒リタイアだったが、随所で好走を見せた。昨年、Moto2クラスでは、PP獲得から3位表彰台を獲得している。今大会は初ポイント獲得を目指す。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「ル・マンでは一生懸命取り組んでベストを尽くし、この数戦のいい勢いを維持しなければなりません。過去の戦いでは、優勝したり、表彰台に立つことができました。その一方で、ペースをつかむのに苦戦したこともあります。しかし、いつも言っているように、シーズンは毎年、違う戦いになります。もちろん天気もタイヤもセットアップもどうなるか分かりませんが、メンタルもアプローチもいつもと同じようにポジティブです。今年はいいレベルでフランスへ向かうことができるので、どのような週末になるか様子を見たいです。金曜日からいいスタートを切って、日曜日に表彰台争いをしたいです」カル・クラッチロー(MotoGP 総合7位)「今年のHondaのエンジンはとても強いので、決勝に向けていい状態が続いています。そして、毎戦、いいスピードがあることを証明してきましたが、前戦スペインGPでは転倒リタイアでした。チャンピオンシップの戦いに戻るためには、あとは少しの運が必要なだけです。昨年のル・マンではまずまずの走りができましたが、...
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