波瀾の決勝、Monster Energy Yamaha MotoGPはノーポイントに終わるMonster Energy Yamaha MotoGPのフランコ・モルビデリは、ペースアップに苦戦しながらも最後まで走り切り17位でチェッカー。チームメイトのファビオ・クアルタラロは1周目の第3コーナー立ち上がりでライバルのテールに接触して転倒。そのままリタイアとなったが、幸い胸の擦り傷と打撲以外に深刻な怪我はなかった。
モルビデリは20番グリッドからスタートしたが、オープニングラップで様々なアクシデントがあり、混乱に巻き込まれて最後尾まで後退してしまう。しかしここから懸命に挽回を図り、14ラップ目には2台をパス。しばらく18番手を維持したあと、終盤でもうひとつ上げて17位でチェッカーを受けた。トップとの差は30.422秒だった。クアルタラロは6番グリッドから、7番手で第1コーナーへ進入。しかしその直後の第3コーナーでアクシデントが発生する。目の前を走っていたM・マルケス(ホンダ)のマシンが激しく振られ、クアルタラロはこれを避けきれずにテールに接触し、ハイスピードから転倒してしまう。混雑した集団のなかでの出来事だったにもかかわらず他のライダーに影響を及ぼすことはなかったが、クアルタラロは自分のマシンに当たって胸に擦り傷を負った。この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを伸ばすことができず、そのリードは10ポイントに減少。モルビデリは合計29ポイントでランキング19位を維持している。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計237ポイントでチーム・ランキング3位をキープし、ヤマハは合計213ポイントでコンストラクターズ・ランキング3位となっている。クラッチローが復帰戦でポイント獲得、ビンダーもグッド・ファイト引退したA・ドビツィオーゾに代わりWithU Yamaha RNF MotoGP Teamから出場したヤマハのテストライダー、カル・クラッチローが、序盤からハイペースを披露。19番グリッドからスタート後、第1セクターで3つポジションを上げ、1ラップ目終了時点で12番手まで浮上した。全23ラップを通じて速さを維持し、良い戦いを見せていたが、後半では少しずつ後退。それでも最後まで懸命に走り切って14位でゴールし、2ポイントを獲得している。チームメイトのダリン・ビンダーは23番グリッドからスタート後、素早く18番手へ浮上。しかし、このあと前方で起きたアクシデントを回避する間に遅れてしまう。ここから挽回を図り、ハイペースを維持して一時はポイント圏内まで上がっていたが、後半で数台に抜かれて18位となった。Monster Energy Yamaha MotoGPフランコ・モルビデリ(17位)「オープニングラップで2回もアクシデントがあり、それに巻き込まれてしまいました。20番グリッドからスタートすれば、そのようなことも起こり得るのです。でもそれとは別に、私自身のペースもあまり良くありませんでした。何台か挽回することはできましたが、本来、狙っていたのはもっと上のポジションでした。高速コーナーでのスピードを上げるために、いくつかのことを試していましたが、改善は感じられませんでした。ただ全力を尽くすことだけに集中していました。このあとはパソコンの前に座って改善策を探します。そして次の日本でもう一度、チャレンジします」ファビオ・クアルタラロ(DNF)「大きな怪我はありません。胸に擦り傷ができたことと、それ以外には、ひどく落ち込んでいます。好成績を狙えるペースを持っていると感じていましたが、残念ながら1ラップ目で転倒してしまいました。何台かはリアを振られ、何台かはラインを外し、私はマルケス選手に追突してしまいました。非常に残念な結果です。しばらくは仰向けに寝ようと思っています。でも日本GPには必ず出場します!」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「今日のことは早く忘れてしまいたいという気持ちです。クアルタラロ選手の転倒はハイスピードでしたが、私たちの最優先事項は常に、ライダーの安全と健康です。彼は擦り傷を負いぼろぼろになっていますが、大きな問題はなかったので安心しました。十分なポテンシャルを持っていることはわかっていたので、このような形でレースを終えたことは本当に残念です。モルビデリ選手はウイーク中ずっと、マシンに好感触を得ることができませんでした。決勝ではいくつかポジションを上げましたが、本来はもっと上を目指していました。次のもてぎでは、心機一転、もう一度、チャレンジします。毎週レースが続くので、早くリベンジを目指せる良い環境だと思います」WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGPカル・クラッチロー(14位)「レースに復帰し、決勝を完走することができて、とてもうれしいです。多くは望んでいませんでしたが、ペースには自信がありましたし、良い仕事ができると思っていました。チームが満足してくれて、私もすべてにおいてハッピーです。ヤマハにとって素晴らしいコースでないことは誰もがわかっていて、戦うために十分な材料があったわけではありませんが、それでも私はベストを尽くして戦いました。ウイークのなかで意識を切り替え、目の前にライダーがいると、それを追い越したくなりました。1年間もレースから離れたあと、その復帰戦をしっかり走り終えることができ満足です」ダリン・ビンダー(18位)「オープニングラップでたくさんのクラッシュがあり、大変な混乱でした。中上貴晶選手のマシンがコースの真ん中にあって、私は避ける方向を間違えて遅れてしまいました。でもそのあとはとても順調で、数ラップにわたりエスパルガロ選手を追いかけました。そのあとグリップが落ちてくると対応に苦戦しましたが、終盤はペースをキープし、最終ラップではギャナントニオ選手をパスすることができました。前回のミサノと比べて大きく前進できたと感じており、今日は、ミサノ・テストで試したことが少し効果を発揮したと思います。とにかくレースを完走できてうれしいですし、戦い方にも満足しています。これからもトライし続け、前進し、次のもてぎではポイント獲得を目指したいと思います」ラズラン・ラザリ(チーム創設者・代表)「クラッチロー選手にとって素晴らしい復帰戦となりました。好スタートを決め14位でゴールし、ポイントを獲得したことは、チーム・ランキングの下位にいる私たちチームにとっても大きな価値があります。ビンダー選手もまた絶好のスタートを切ってポイント圏内まで上がりましたが、そのあと少し後退して18位となりました。ポイントは獲得できませんでしたが、ユーズド・...
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