メルセデスは2026年F1第9戦イギリスGPを前に、チーム代表のトト・ヴォルフが現在のタイトル争いの厳しさを強調した。前戦オーストリアGPではダブル表彰台を獲得したものの、その勢いがそのままシルバーストンでも通用する保証はないと警戒している。本拠地ブラックリーからほど近いシルバーストンは、チームにとって事実上のホームレースだ。しかしヴォルフは「重要なのは雰囲気ではなくパフォーマンス」と語り、接戦が続く2026年シーズンでは一瞬の油断も許されないとの認識を示した。
ホームレースでも重要なのは結果メルセデスにとってシルバーストンは特別な舞台だ。チーム本部のあるブラックリーまでは約9マイル、パワーユニット部門のブリックスワースまでも約20マイル余りと、最も本拠地に近いグランプリとなる。トト・ヴォルフ代表は、その特別な週末であっても勝負を左右するのは純粋なパフォーマンスだと強調した。「シルバーストンはカレンダーの中でも特別なレースのひとつだ。素晴らしいサーキットであり、ファンは独特の雰囲気を作り出してくれる。そしてファクトリーからわずか数マイルしか離れていないこともあり、私たちにとってはホームレースのような存在でもある」「しかしコースに出れば重要なのは雰囲気ではなくパフォーマンスだ」毎戦変化する勢力図を警戒前戦オーストリアGPではダブル表彰台を獲得したメルセデスだが、ヴォルフはそれが次戦でも再現できるとは考えていない。「オーストリアではダブル表彰台という良い結果を残せた。しかし、それがそのまま次のレースでも続くと考えられる状況ではない」「現在のグリッドは非常に接近している。勢力図はあまりにも速く変化し、ある週に競争力があったものが翌週にはまったく違って見えることもある。それが今のF1の現実だ」さらに各チームの開発競争が勢力図を絶えず変えていると説明し、一貫性こそがメルセデス最大の武器だと語った。「今は非常に接近した開発競争が続いている。あるチームが一歩前進すれば、他のチームもすぐ対応し、順位は圧縮されたり入れ替わったりする」「今シーズンここまで私たちの強みは一貫性だった。それは規律を守り、基本を確実に積み重ねてきた結果だ」「私たちは引き続きミスなく週末を運び、可能な限りマシンの性能を向上させ、コース上で取りこぼしをしないことに集中していく」エネルギー管理が勝負の鍵リザーブ兼サードドライバーのフレデリック・ベスティは、シルバーストン特有の高速レイアウトが2026年型マシン「W17」の真価を測る重要なテストになると分析した。「シルバーストンはシーズンを代表するイベントのひとつだ。チームのファクトリーから最も近いレースであり、ジョージにとっても母国グランプリという特別な意味を持つ」「高速コーナーが数多く続く素晴らしいサーキットであり、W17の実力、そして現在のパフォーマンスレベルを測る明確な指標になる」また2026年レギュレーションでは、長いストレートと高速コーナーの組み合わせによってエネルギー回生の機会が限られるため、デプロイメント管理が重要になると指摘した。「長いストレートと高速コーナーによってエネルギー回生の機会は少なくなる。そのため1周を通じたデプロイメント管理がこれまで以上に重要になる。レースには間違いなく新たな要素が加わるだろう」「オーバーテイクも多く、ファンにとって素晴らしいレースになるはずだ。マゴッツやベケッツのような高速区間は特に見応えがあるだろう。僕自身も週末をとても楽しみにしている」イギリスGP トリビア■ シルバーストンでは2021年以来2度目となるスプリントフォーマットが実施される。■ 全長5.891kmのシルバーストンは、スパ、ラスベガス、ジェッダ、バクーに次ぐF1カレンダー5番目のロングサーキット。■ マゴッツ、ベケッツ、チャペルなど伝統的なコーナー名を持ち、エンジニアがコーナー番号ではなく名称で呼ぶ数少ないサーキットのひとつ。■ スタートからターン1まで約650mあり、2026年カレンダーでも屈指の長い全開区間となる。■ メルセデスは2010年のワークス復帰以降、シルバーストンで9勝を挙げている。■ 2013年から2020年まで8年連続でポールポジションを獲得。ルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグ、バルテリ・ボッタスが記録した。■ ジョージ・ラッセルは2014年BRDC F4開幕戦のシルバーストンでフォーミュラカー初優勝を飾った。■ キミ・アントネッリは2024年のF2シルバーストン大会で初優勝を記録した。■ フレデリック・ベスティも2023年のF2シルバーストン大会で優勝経験を持つ。【関連】・2026年F1イギリスGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)