2026年F1レギュレーションの策定をめぐり、フォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、トト・ヴォルフ率いるメルセデスが重要な役割を果たしたとの見解を示した。電動化の比重が増した新規則に対しては、チーム、アナリスト、ファンの間で賛否が分かれている。アガグは、メルセデスがフォーミュラEで得た経験をF1へ持ち込んだと主張している。
ただし、彼が強調したのは純粋な技術移転というより、レギュレーションの方向性に対する発想と戦略だった。2026年F1パワーユニット規則はメルセデスだけで決まったものではなく、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノーに加え、FIA、FOM、各チームも交えた協議を経て2022年にまとめられた経緯がある。フォーミュラEで得た経験をF1へフォーミュラE創設者のアレハンドロ・アガグは、メルセデスが電動カテゴリーで得た知見をF1へ持ち込もうとしていたと語った。メルセデスは2018年から2022年にかけてフォーミュラEに参戦した。初年度はトト・ヴォルフが出資するHWAとの協力体制で活動し、その翌年からはワークス体制と自社開発の電動パワートレインで正式参戦した。メルセデスは自社名義で3シーズンを戦い、2020-21年と2021-22年にはコンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル2回を獲得した。王者となったのはニック・デ・フリースとストフェル・バンドーンだった。その成功の後、メルセデスは同選手権から撤退した。その一方で、F1のメルセデスは2021年までの支配的な時代を経て、グラウンドエフェクト時代に入ると苦しい局面を迎えていた。アガグ「主な発想源はメルセデスとトト・ヴォルフ」アガグによれば、メルセデスがフォーミュラEを離れたのは、そこで起きていたことをF1で再現する狙いがあったからだという。2026年の規則変更ではパワーユニットに占める電気エネルギーの比重が大きく高まり、メルセデスは開幕2戦で2勝を挙げている。フォーミュラEでの経験が、この新時代への準備に役立ったのかと問われたアガグは、技術そのもの以上に、構想と戦略の面で優位性があったとの見方を示した。「メルセデスがフォーミュラE選手権を去ったのは、フォーミュラEで起きていたことを再現し、それをF1へ持ち込みたかったからだ」とアガグはスペイン紙『マルカ』に語った。「今のF1で起きていることの主な発想源は、メルセデスとトト・ヴォルフだ」「トトはそこにいて、何が起きていたかを見ていた。そして『これをF1へ持ち込み、F1とフォーミュラEを近づける』と言った。その考えがあったからこそ、彼らはいま優位に立っていて、その差が他との差として表れている」もっとも、この発言は2026年エンジン規則が複数の関係者による協議の末に成立したという事実を十分に踏まえたものではない。規則は2022年に発表され、メルセデスのほか、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル、当時のルノー、さらにFIA、FOM、各チームが関与していた。「F1はV8に戻るべきだ」アガグは現在のF1の方向性に批判的な見方も示した。「これはF1にとって良くないと思う」とアガグは述べた。「F1は、もっと内燃機関寄りに戻るべきだ。V8エンジンへ戻り、もっと音を取り戻すべきだ。そしてフォーミュラEを電動選手権として位置づけるべきだ。今のF1はその中間にいる。どっちつかずなんだ」フォーミュラEは将来的にF1より速くなるのかアガグは、現在のF1とフォーミュラEはかなり似ているとも語った。「私はこのF1を理解できる。なぜなら、私はフォーミュラEのレースを見ているし、実際のところ今のF1レースを見るのと同じだからだ」「スーパーコンデンサーのようなシステムがどう機能するかも完璧に理解している。エネルギーを蓄え、放出する仕組みだ。我々はここでそれを12年間やってきた」さらにアガグは、フォーミュラEの将来についても強気な見通しを語った。中期的には、完全電動シリーズがF1より速くなる可能性があるという。「それは世界最速の選手権になる」とアガグは語った。「来年のGen4マシンはすでにF1にかなり近づく。そして第5世代か第6世代ではF1より速くなるだろう。私はその成長が続くと思っている」