メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、F1エミリア・ロマーニャGPでバルテリ・ボッタスのF1マシンが“全損”したことで、予選上限に下で今季の開発に影響を及ぼす可能性があると語る。今年から新たに1億4500万ドルの予算上限が導入されており、スプリント予選レースが議論されるなかで、クラッシュが発生した場合の追加コストがトピックとなっていた。
そんななか、F1エミリア・ロマーニャGPでは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)とジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が大クラッシュを演じ、マシンは大破した。トト・ヴォルフは、このクラッシュによって、2021年のアップグレード計画に狂いが生じる可能性があると示唆した。「予算制限があるが、我々のマシンはほぼ全損だった。いずれにしろ、これは我々が求めていた状況ではない。おそらく今後実施できるアップグレードが制限されることになるだろう」とトト・ヴォルフはコメント。「2台のマシンがクラッシュすることは私が考えていたことではない。我々は予算上限に非常に苦しんでいる。そして、我々が常に恐れていたことはマシンが全損することだ。今回は完全に全損というわけではないが、ほぼそれに近い状態だ。望んでいたこととは程遠い」年間の予算に上限が設けられいるため、クラッシュしたマシンの修理に費用がかかれば、開発に費やせる予算は減っていく。メルセデスF1のトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、クラッシュによるダメージの度合いを見極めるには完全な分析が必要だと語る。「ダメージは広範囲に及んでいる。パワーユニットに損傷があるかどうかも詳細にチェックしなければならないことのひとつだ」とアンドリュー・ショブリンは語った「ボッタスはレースを完走しなかったことで、ギアボックスに関しては大きな問題ではない。しかし、今年の我々にとっての新たな問題は、予算上限が適用されていることだ。今回のような損害は、計画には含まれていない」「過去数年、我々のドライバーはマシンをあまり壊すことなくシーズンを乗り切るのを得意としてきた。しかし、今回はカーボンと金属の加工という点で非常に広範囲の作業が必要になる」「引き続き使えるパーツがあるのかを調べ、ポルティマオに向けてマシンを修理するが、今回のような事故が発生した場合、大きな懸念になる」アンドリュー・ショブリンは、チームは、それぞれのパーツに想定したライフサイクルに基づいて計画を立てていると語る。「今回はルイス(ハミルトン)のフロントウイングのこともある。大きな事故が相次いで起こり、重大な損害が生じることは、我々にとっては悪いことだ。このままではパーツに費やせる予算の割り当てを超えてしまうかもしれない」とアンドリュー・ショブリンは語った。「理想を言えば、全てのパーツを修復して生き返らせることだ。だが、今回は、間違いなくそうはいかない。修復のための費用をどこかから捻出しなければならない」「最終的に大きな問題になれば、開発予算に影響を及ぼす可能性もある。十分注意して進めていかなければならない」
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