メルセデスは、F1マレーシアGPでルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスにそれぞれ異なる空力パッケージを搭載している。メルセデスは、F1マレーシアGPに空力アップグレードを持ち込んだが、金曜フリー走行では両ドライバーともグルップ不足を訴えていた。土曜日にルイス・ハミルトンは旧型パッケージに戻したが、バルテリ・ボッタスは引き続きアップグレード版を搭載。メルセデスは2つを比較しながら作業を進めた。
フリー走行3回目ではルイス・ハミルトンのタイムの方が遅かったが、データ上に目立った違いがなかったため、セットアップの見直しを避けるため、両マシンは異なる空力パッケージのまま予選に臨んだ。メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは「旧型と新型の空力パッケージでバック・トゥ・バック・テストを行ったが、はっきりとした結果は得られなかった」と説明。「どちらのパッケージも異なるセットアップが必要になるため、マシンにあまり変更を加えない方が安全策だと考え、バルテリとルイスのマシンはそのまま予選に挑んだ」「初期の兆候では、新しい空力アップデートが期待通りに機能していることを示していた」バルテリ・ボッタスは、新しい空力パッケージの方がパフォーマンスを得られるはずだ考えているが、予選ではチームメイトに0.682秒の差をつけられており、ダウンフォース減少の可能性を疑っている。「2つのパッケージのパフォーマンス差がどうなのかはまだ分かっていない。理論的には僕のマシンの方がダウンフォースは多いけど、0.7秒差がついているので確信は持てない。いろいろと変化が多いけど、ひとつ確実に言えるのはタイヤのスウィートスポットを見い出さなければならないということだ。結果を見る限りでは、僕はQ3でそれができていなかった」 メルセデスは予選までグリップ不足に苦しんでおり、高速コーナーではタイヤのオーバーヒートも引き起こしていた。しかし、現地時間17時にスタートした予選では、路面温度が下り、問題が軽減されたように見えた。 トト・ヴォルフは「タイヤのスウィートスポットに当たれば、競争的なタイムは出る」とコメント。「だが、作動域を出ると、それが高いか低いかに関わらず、タイムは競争力を失う。我々のドライバー間にも不一致があるし、他のチームではドライバー間の差がさらに大きいところもあった。つまり、最適な作動域を理解しなければ、うまくいかない科学ということだ」バルテリ・ボッタスは、予選よりも2時間早くスタートする決勝では、タイヤの問題が再発する可能性を懸念している。「明日は難しい一日になるだろう。それは事実だ。今週末これまでに見てきた感じでは、フェラーリとレッドブルのレースペースは僕たちよりも強そうだし、暑くなれば特にそうなるだろう。太陽を覆う雲がなければ僕たちにとってはトリッキーになる」 「かなり難しい一日になると予想しているけど、シンガポールのように涼しくて変化の多いコンディションになれば、レースペースが良くなるかもしれない。雨が僕たちの助けになる可能性もあるけど、それをあてにはできない。どんなコンディションでもマシンを機能させられるようにしなければならない。今はこのようなコンディションでは他のマシンに比べてあまりうまく機能していない」決勝まで2時間を切った時点で、セパン・インターナショナル・サーキットには雨が降っている。
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