メルセデスは、2017年に投入する新型F1パワーユニットが1000馬力のマイルストーンに到達目前のところまできていると述べた。メルセデスは、V6ターボ・パワーユニットが導入された2014年からF1のベンチマークとなっている。2017年にむけて、メルセデスは新型MGU-HおよびMGU-Kを含めた変更をパワーユニットに施した。
先に新車VJM10を発表したフォース・インディアのテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、メルセデスの2017年F1エンジンが“先例のないステップ”を果たし、それによってライバルをさらに引き離せると述べている。ルノーは、2017年に新構造の内燃機関と第2世代のERSを含めた新しいコンセプトを導入。1周あたり0.3秒の改善を見込んでいる。メルセデスのエンジン責任者を務めるアンディ・カウエルは、チームが“あらゆるエリアで改善をもたらした”と考えてる。「我々のERSシステムのベース構造は2014年に開始したものと類似している。当初、我々は2つのインバーターとリチウムイオンセルを収納したモジュールを燃料電池の下部に据えた。それは今年も同じか? そうではない。ハイパワースイッチを改善しており、より効率的になっている」「ボックス内の信頼性においてもいくつか改善がある。それにより、より長く、よりハードに走らせることができるようになっている。モジュール内の熱効率を改善しており、冷却の理由でシステムのレベルを抑える必要はない」「MGU-Hはドライブサイクルの変更により一新され、MGU-Kも新しくなっている。非常に大きな進化だ」昨年はルイス・ハミルトンがパワーユニット関連が頻繁にトラブルに見舞われ、それがタイトル争いに影響した。アンディ・カウエルは、メルセデスは信頼性の向上にも焦点を置いており、ルイス・ハミルトンがF1マレーシアGPで見舞われたエンジンブローのようなトラブルを繰り返さないために6つのデザイン変更を行ったことを明かした。「昨年は痛みを伴うインシデントが何度か発生した。我々はそれについて膨大な調査を行った。ブリックスワースでは、リサーチ方法、前進に関する承認方法、コンセプトの見直し、開発が適切であるかの確認、サプライヤーとの取り組み方、我々自身のパーツの製造と組み立てなど、非常に大きな変更を行なわれた。「エンジン内に約6つのデザイン変更を行った。ベアリングシステムを改善し、パワーユニットの組み立て方におけるクオリティの向上を3〜4点にわたって行い、ライフに気を配った」だが、そのような信頼性向上と同時に、アンディ・カウエルは、メルセデスのV6ターボ・パワーユニットが、1000馬力という数字に近づいてることを明らかにした。「アップグレードのたびに次第に近づきつつあるが、そこが我々が目指すべき場所だと言ったことはない」「レースに勝つには“Dynoダービ”は重要ではない。仮に“Dynoダービー”があったなら、パワートレインは完全に違ったもになっていただろうし、容積や質量、熱遮断に悩まされることはなかっただろう」「我々が行っているパートナーシップは、レースに勝つための最速のレースカーを用意するためにあらゆるシステムを最適化している。予選が重要なのではなく、レースに勝って、25ポイントを獲得することが重要だ。それが我々が職業人生を賭け、仕事外の多くの時間でも考え、ブラックリーとブリックスワークの両方でチーム全体が集中していることだ」