メルセデスは、F1カナダGPで投入されるとみられるフェラーリのアップグレードされたパワーユニットを警戒している。 F1カナダGPに先だち、フェラーリとホンダが、F1エンジンの開発用トークンを使用したことが明らかになっており、アップグレードされたパワーユニットが持ち込まれれば、フェラーリ、ザウバー、マクラーレンの3チームはパワー面のアウトプットの増加が見込まれる。
今季シーズンはドライバーにつき4基のエンジン使用が認められており、5基以上のコンポーネントを投入する場合はペナルティが科せられるため、アップグレード型パワーユニットを使うには全体的なコンポーネントの使用状況とバランスを取らなければならない。 フェラーリのドライバーは、2人ともエンジンコンポーネントが2セット目に達している。つまり、アップグレード型を使うとすれば、それは今季3基目のパワーユニットということになる。しかし、パワーに依存するサーキットが少ないシーズン後半に序盤戦で使ったエンジンコンポーネントに戻すことも考えられる。 メルセデスは、F1カナダGPに向けてトークンを用いていないが、2台とも新しいパワーユニットを搭載するという。 「今回のイベントには新しいパワーユニットを持ち込む。どちらのドライバーも2015年の2基目だ」とパディ・ロウは説明。「1基目のパワーユニットは6回のレース週末で使用された。2基とも合計の走行距離は4,000kmを超えており、ブリックスワースのチームは本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思っている」「ライバル勢も新しいパワーユニットを持ち込むと予想している。もしかすると、開発トークンを使ってシーズン中にアップグレードされたものかもしれない。したがって、今週末に“パワーバランス”がどうなるかが楽しみだ」 メルセデスは、昨年のF1カナダGPで2台ともがMGU-Kのトラブルに見舞われ、ニコ・ロズベルグはマシンをケアしながらダニエル・リカルドに次ぐ2位でフィニッシュしたが、ルイス・ハミルトンはブレーキ故障によるリタイアを強いられている。パディ・ロウは、今週末のプライオリティは信頼性だとし、今季6戦中5勝を挙げているにもかかわらず、勝利は保証されたものではないと強調する。 「モントリオールのコースはマシン全体に厳しい。エンジンやブレーキだけではない。昨年は果たせなかったが、2台が完走できるように全力を尽くしている」「パフォーマンス面に関しては、何事も当たり前のように考えてはならない。コースの特殊性を考えれば、2台を上位で完走させるにはうまくやらなければならないことがたくさんある」関連:F1:パワーユニット開発の『トークン』とは?