マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラは、レッドブルからジャンピエロ・ランビアーゼを獲得した直後に浮上したフェラーリ復帰説を笑い飛ばした。マクラーレンは先週、マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアを務めてきたランビアーゼが、遅くとも2028年までにチーフ・レーシング・オフィサーとして加入すると発表している。
この人事をきっかけに、ランビアーゼが将来的なチーム代表候補として迎えられ、ステラがフェラーリへ戻るのではないかとの憶測も広がった。だが、ステラ本人はそうした見方を否定し、マクラーレンの体制と文化への信頼を強調した。ランビアーゼ加入で広がったフェラーリ復帰説ジャンピエロ・ランビアーゼは、マクラーレンでチーフ・レーシング・オフィサーを務め、アンドレア・ステラに直接レポートする体制となる。報道の一部では、この人事が将来的なチーム代表交代を見据えた布石であり、ステラはフェラーリ復帰に向かうのではないかとの見方が出ていた。ステラは2000年から10年以上フェラーリに在籍し、ミハエル・シューマッハやキミ・ライコネンのタイトル獲得に関わったほか、後にはフェルナンド・アロンソのレースエンジニアも務めた。その後2015年にマクラーレンへ移籍した経歴を持つことから、今回の憶測には過去のキャリアも重ね合わされていた。一方で、マクラーレン側はランビアーゼ加入発表の当日に、ステラの役割に変更はなく、フェラーリ復帰の予定もないとしていた。また、ランビアーゼには将来的にチーム代表職が空いた際の後継候補という展望が示された可能性もあるとされたが、現時点でステラの立場が揺らいでいるわけではない。ステラ「神話的な事前契約は笑ってしまった」マクラーレン公式サイトのインタビューで、アンドレア・ステラは今回の報道について次のように語った。「正直に言って、天文学的な給与や神話的な事前契約に関するものを含め、ここ最近の噂のいくつかは笑ってしまった」「普通は夏前に始まる“シリーシーズン”が、今年は早く来たかのようにも見える」「こういう類いのことにはもうかなり慣れているし、笑顔で受け止めている」「まるで嫉妬した菓子職人が、マクラーレンのパティスリーで素晴らしいデザートを作る準備を台無しにしようとしたようにも見える」「ただ、我々は良い材料と毒入りビスケットを見分ける術をよく知っている」これは、ステラが2022年末にチーム代表へ就任して以降、マクラーレン内の健全な文化を語る際にたびたび用いてきた「毒入りビスケット」という比喩を踏まえたものだった。マクラーレンが示した現体制への信頼マクラーレンはランビアーゼ加入を発表した声明の中で、チーフ・レーシング・オフィサーという役職はすでにチーム構造の中に存在しており、レースチーム全体の統括を担うものだと説明した。そして、その職務は現在、チーム代表としての役割に加えてアンドレア・ステラが兼務していると明かしたうえで、ランビアーゼの加入はチームの人材層をさらに強化し、長期的に選手権を争う体制を支えるためのものだと位置づけた。さらにマクラーレンは、外部からトップ人材を引きつけて確保できること、そしてチーム内部の有能な人材を維持し昇格させられていることは、ザク・ブラウンとアンドレア・ステラのリーダーシップのもとで築かれた戦略的ビジョンと文化の表れだと強調した。あわせて、ザク・ブラウンとアンドレア・ステラの双方が長期契約下にあることも明示している。フェラーリ側はバスール続投を選択フェラーリでは、フレデリック・バスールが2025年にチームとして2021年以来の未勝利シーズンを経験したことでプレッシャーにさらされたとされる。それでもフェラーリは、昨年のハンガリーGP開幕直前にバスールとの新たな複数年契約を発表しており、現在のチーム代表体制を維持する判断を下している。今回の一連の憶測に対し、ステラは冗談を交えながら受け流したが、マクラーレンの公式説明も含めて見ると、現時点でフェラーリ復帰説を裏づける材料は乏しい。むしろ今回の発言は、ランビアーゼ加入後もチーム内の役割分担を整理しながら、ステラ体制を継続していくというマクラーレンの姿勢を示したものといえる。Source: PlanetF1 / McLaren