マクラーレンのCEOであるザック・ブラウン氏は、チームにはランド・ノリスとオスカー・ピアストリという2人の「ナンバーワン」F1ドライバーに対応できる体制が整っていると確信している。今シーズン、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両ドライバーがF1初勝利を収め、マクラーレンが10戦連続で表彰台に上るという快挙に貢献した。
マクラーレンは、2人のドライバーが互角の力を発揮し、苦戦を強いられているセルジオ・ペレス擁するレッドブルとの差を42ポイントにまで縮めた。これはマクラーレンのコンストラクターズタイトル獲得の見通しを後押しするものとなったが、一方で、2人のドライバー間の緊張が高まる可能性があるという兆候も見られる。ハンガロリンクでのオスカー・ピアストリのF1発勝利は、スタートでリードを失ったノリスがチームメイトを再び先行させるチームオーダーを熟考したため、影を潜めてしまった。マクラーレンは、現役チャンピオンのフェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンが対立した際、チームメイトの関係が悪化すると有害であることをよく理解している。しかし、ザク・ブラウンは、アンドレア・ステラの在任中に培われた文化が、ノリスとピアストリの関係悪化の再発を最小限に抑えると主張している。なぜマクラーレンで対等なドライバーの地位が機能すると考えているのかと尋ねられたブラウンは「人間関係、コミュニケーション、そして我々には2人の個性がある」とオートスポーツ誌に語った。「つまり、間違いなく言えるのは、彼らは2人ともナンバーワンでありたいと思っているということだ。我々にはナンバーツーはいない。「しかし、彼らはチームのためにレースをしている。彼らは互いに激しく競い合い、自分自身の中でナンバーワンでありたいと思うようなタイプであり、ナンバーワンのマシンを2台走らせているという事実を尊重している」「そして、それは常にそうであり、これからもそうあり続けるだろう」マクラーレンはハンガリーでドライバー間の緊張した時間を経験した。ザク・ブラウンは、ドライバーズ選手権の状況がそれを必要とする場合、マクラーレンはどちらかのドライバーの希望を優先させる可能性があると繰り返し述べた。しかし、オスカー・ピアストリはランド・ノリスに32ポイント差をつけられており、ノリスはマックス・フェルスタッペンに78ポイントの差をつけられているため、ザク・ブラウンは、マクラーレンが現段階でそのような議論をすることはないと認めている。「もちろん、選手権の後半になって、どちらかのドライバーがもう一方よりもチャンスがある場合、戦略的に異なる対応を検討し始めるかもしれない」「しかし、我々は彼らを平等に扱っている。彼らもそれを理解しており、それを楽しんでいる。そして、我々が時に譲歩を迫られる場合でも、彼らは我々の決定を尊重している」「彼らはそれをとても尊重している。だから、この2人のドライバーを迎えられたことは幸運であり、ラッキーだと思っている」ノリスとピアストリのマネジメントがマクラーレンの新体制にとって最も厳しい試練となるかという質問に対して、ブラウンは「文化は自然に形成されていくものだと思う」と答えた。「方向性やトーンを設定することはできるが、それを強制することはできない」「アンドレアも私も、そしてここにいる全員がレーサーだ。私たちは公平で、パフォーマンスを追求する上でかなりアグレッシブだ。しかし、それはフェアなやり方であり、どんなことをしてでも勝利を収めるというやり方ではない」「チームも同じような考え方だと思うし、素晴らしいガレージ環境だ」