マクラーレンは、今季マシン『MCL35』で行ったコンセプト変更によって2021年にルノーからメルセデスへのF1エンジンへの変更を比較的競争力を落とさずに行えるかもしれない。F1は、2021年に予定していた大幅なF1レギュレーション変更を2022年まで延期することを発表。空力の開発は認められるものの、基本的に2020年のシャシーでシーズンを戦うことになり、金曜規則は計画通りに施工されることから、さらなる規制が設けられる可能性もある。
現在、マクラーレンはルノーのF1エンジンを搭載しているが、レギュレーション変更を見据えて2021年からメルセデスとF1エンジン契約を締結。すなわち、マクラーレンは、現行シャシーにメルセデスのF1エンジンを搭載するという作業に直面することになった。しかし、マクラーレンは、2021年に当初の計画通りにルノーからメルセデスにF1エンジンを切り替えることを確認している。マクラーレンは、今季マシン『MCL35』からレッドブルが採用している“ハイレーキ”からメルセデスが採用する保守的な空力アプローチにマシンコンセプトを変更していた。メルセデスのエンジンカスタマーであるレーシング・ポイントF1チームも今季マシン『RP19』も同様にメルセデスの空力アプローチを採用。というか、メルセデスの昨年マシン『W10』を忠実に再現している。レーシング・ポイントF1チームの代表を務めるオトマー・サフナウアーは、メルセデスのパッケージでハイレーキを実現するには制約があったと語っている。「我々は常に妥協していた。我々はメルセデスのギアボックスを走らせていたが、リアサスペンションとレッドブルの哲学の空力でやれることについて彼らのリアには制約があった」とオトマー・サフナウアーは語っている。また、エンジン規則は2020年も大きな変更点はないが、ルノーは2021年に完全に新しいエンジンを投入するとしており、どのみちマクラーレンはシャシー側に変更を強いられることになっていた。マクラーレンは2018年にホンダからルノーへのエンジン変更を経験済みであり、すでに2021年F1マシンでメルセデスのF1エンジン向けに進めていることから、変更は比較的容易に進められることになるかもしれない。