マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、マクラーレンは“明確な方向”に向かって進んではいるものの、来シーズンはおろか2020年もワールドチャンピオンを獲得するのは厳しいだろうと認める。マクラーレンが最後にタイトルを獲得したのは2008年のルイス・ハミルトンによるドライバーズタイトルまで遡る。だが、メルセデスのワークス契約を失って移行は低迷している。
特に昨年までのホンダとの3シーズンは厳しいものであり、コンストラクターズ選手権で9位、6位、9位とチーム史上ワーストとなるシーズンを過ごした。今年からルノーにパワーユニットを変更したマクラーレンだが、改善はみられてはいるものの、チームが期待していたほど大きなものではない。F1スペインGPでは“Bスペック”ともいえる大幅なアップグレードを投入したマクラーレンだが、少なくともまだ表彰台を争うレベルには到達していない。「明らかに前進している」とザク・ブラウンはF1公式サイトのインタビューでコメント。「クルマは応答性があり、ドライバーもそれを気に入っているので、そこに関しては良いし、相当な前進だ」「それに風洞実践で期待していたものと優れた相関関係を示しているし、次のアップグレードにむけたより良いプラットフォームを得られている」しかし、プレシーズンに目標に掲げていた同じルノー製エンジンを搭載するレッドブル・レーシングに追いつくには、現時点ではあまりに遠すぎるステップだとザク・ブラウンは認める。「我々はあまりにも離されている。そして、それは一夜にして実現できることではない」「我々がプレッシャーに晒されているのはわかっているし、私もプレッシャーに晒されている」「フラストレーションを感じることがあるとすれば、レースをわかっている皆さんなら知っていることかもしれないが、人々はそのようなことにどれくらい時間がかかるかを理解していないということだ」ザク・ブラウンは、2019年シーズン、さらには2020年もワールドチャンピオンを獲得することはないだろうと付け加えた。「今は、とにかく進んでいくしかないし、明確な方向性持って、集中し、懸命に作業をしていくだけだ」