マクラーレンとホンダは、現在、これまでになく良好な共闘関係を築き上げているようだ。昨年、悲惨な初シーズンとなったマクラーレン・ホンダの新プロジェクトだったが、マクラーレンとホンダとの関係はたびたび不和が報じられていた。だが、パワーユニットサプライヤーとしてのF1復帰2年目となる2016年シーズン開幕前に、ホンダは、それまでF1プロジェクト総責任者を務めていた新井康久に代えて長谷川祐介を現場責任者に据える組織体制の見直しを行った。
そして、レース現場でのエンジニア経験が長い長谷川祐介の加入により、マクラーレン・ホンダのチーム内の雰囲気も徐々に改善されてきたようだ。ライバル勢がリタイアすることなく戦った前戦F1ハンガリーGPでは、メルセデス、レッドブル、フェラーリの3強チームに次ぐ7位でフィニッシュを果たしたフェルナンド・アロンソは「(現在の)マクラーレンに来てから最高の週末だった」とコメント。マクラーレン・ホンダがここまで来られた背景には長谷川祐介の存在が大きかったことを示唆した。「祐介は元エンジニアだから、ガレージ内で何が起きているのかをすごくよくわかっているし、それをもっとよく変えるための取り組みもできている。それに特定の状況における対応力もあるし、プレッシャーにも強い」マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエも、今ではホンダとの関係もかなりよくなったと語る。「今ほど密接な関係となったことはなかった。非常に協力的だし、共働は非常にうまくいっている。今日ではテクノロジーによっていつでも連絡し合えるにも関わらず、我々は定期的に顔を合わせている」「プロジェクトも以前よりもかなり成熟しているし、ここまでのところは非常にいい」エリック・ブーリエの発言を受け、長谷川祐介も「私もエリックと同じ意見です」とコメント。「今年はマクラーレンと非常にいい共働関係を築くことができていますし、共に成長することができています」長谷川祐介は、すでにホンダでは2017年仕様エンジンの製造作業も開始されていると認めている。エリック・ブーリエは「我々は今年のクルマの開発も続けているが、並行して次の取り組んでクルマにも取り組んでいる。だが、夏休みが終われば、ほとんどのチームでは100%来年のクルマの開発にシフトしていくだろう」
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