FIAは、今はなきマノー・レーシングに“善意のしるし”として2017年F1シーズンのエントリー料を返還した。マノーは、今シーズにむけて2016年に獲得した1ポイント分の6,194ドル(約70万円)の追加料金を含む、52万2,322ドル(約5800万円)のF1エントリーフィーを昨年11月に支払った。しかし、チーム存続にむけたマノーの最後の救済契約の望みは、今年3月にチームオーナーだったスティーブン・フィッツパトリックが、FIAにF1撤退について公式書簡を提出したことで潰えた。
通常の状況であれば、支払われたエントリーフィーはFIA(国際自動車連盟)が保持することになるが、FIAは返金することを選択した。「マノー・グループ内でチーム運営を担当していたジャスト・レーシング・サービス社は、今年1月に破産申請を行い、その月の後半に業務を停止した。結果的にチームは2017年の選手権に参加しなかった」とFIAは声明で述べた。「したがって、FIAはエントリープロセスの一環として連盟が負担する行政コストを控除し、未払いの責務の支払いを支援するための善意のしるしとして、マノー・グループ内の組織にエントリーフィーを返還することを決定した」当時、管理者は、およそ50の団体がチームの復活に関心を表明していると主張していたが、その後、どの団体も“会社の支払い能力を回復させるための現金資金があるという十分な安心感を提供できなかった”とし、解散が決定した。マノーの親会社であるジャスト・レーシング・サービスは、業務を停止し、管理者は債権者に支払うための資金を調達するためにチームの資産をオークションにかけることを選択。2台の風洞モデル、ショーカー、5つのステアリングホイール、マノーのF1バドック拠点として使用されたトレーラー、ホスピタリティ用のトレーラー、ピット設備など、数千ものアイテムが競売にかけられた。